母さん、いってきまぁす!
うん、いってらっしゃい。
娘は、今日も元気よく登校してゆきました。
お子さんのいらっしゃるご家庭なら、どこでもある日常の中の一こま。
親の都合により、夢も希望も失った18年前…
生きること…生かすことさえも投げ出そうとしていた1年…
産まれてきた生命に戸惑った瞬間…
自分の存在を私に伝えようとする小さな生命の泣き声…
戸惑いを拭えないまま、必死にお乳を与え続けた日々…
でも、日々増してゆく、母としての娘への愛情…
もっと、抱いて!もっと見て!
私の名前を呼んでよ、母さん!!
…と訴えるように泣く娘に、初めて名前を呼んで上げられた日…
泣きじゃくる娘を抱き締め、一緒になって泣いてました。
今迄、ごめんね…そして、ありがとね…
…
…
母さん…
幼く、不器用な娘の愛撫…
娘の前で、女になった夜…
子供には、親を独占する権利があります。
親を選ぶ術を持たずして、生まれてくる子…
それに対する罪滅ぼしなのか、生まれてきてくれた子への感謝の念なのか、親は身
を賭して我が子を育て、守る。
あの日、娘に話した、娘の知らない私…
母親は全て自分のもの、今ある姿が母親の全て…独占できるのは、私だけ…
そう思っていた娘に明かされた、私の本来の姿…
私の知らなかった母さん…
娘は、驚きとともに、無意識の内に、嫉妬の念を抱いていたのだと思います。
今まで独占してきたはずの母親に、独占しきれていない私の知らない姿があったな
んて…と。
きっかけは、私が、今日に至るまでに自分の悲しい過去や、同性への愛情、寂しさ
などを聞かせたことに対する私への、同情、若しくは、癒してあげよう、満たして
あげようとする優しさからだったんだと思います。
でも、あの夜から、毎晩のように、体を重ねれば、重ねるほど、募る嫉妬心…
母さんのことは、私が一番よく分かってる…今ある姿が母さんの全て…その全て
は、私だけのもの…
そう言わんばかりに、娘は、私の体を、心を求めます…
私も、娘との最初の夜は、それまでの寂しさからの解放を求め、相手が娘と言え
ど、同性から求められる快感に、この身を委ねていました。
あどけなく、幼い娘の愛撫に、久しぶりの喜びに酔い、女としては幼い娘に、教え
るかのように、愛撫を返す私…
それを繰り返し、体と、心を呼び合う…
娘は、私の全てを…
私は…
今、この手記を書きながら、本当に、書いて良かったと思っています。
前回の手記で、私と娘の関係は続いています…と、書きました。
それは、嘘ではありません。
でも、あの夜から、約一年…私達は、変わらず、夜は同じベッドで眠っています。
お風呂にも、一緒に入っています。
毎晩では、ありませんが、体を重ねることも続いてはいます。
ただ、変わりつつある点が一つだけ…
娘の…子供としての、母親である私に対しての嫉妬心が、薄れつつあるようです。
それは、本人に尋ねたわけでは、ありませんし、何の確証もありません。
でも、娘の私を求める、求め方が変わってきているのは事実です。
先ほど、言いかけて止めたところ…
私達が、体を重ねあう時、娘が求めるものは、私の全て…
では、私は…
私が求めたのは、18年前に別れた…いいえ、別れざるを得なかった彼女でした。
娘との夜、勿論、体を重ねる時は、私を求めてくれる娘を愛しく思い、目の前の娘
を求めます。
でも、私には、何か、気持ちの中に、少し…ほんの少し、落ちそうで落ちない冬の
枯れ葉のような、そんな何かがありました。
今日、この手記を書かせていただくまで気付かなかった思いです…
私は、これからも、娘が私を求めるなら、受け止めてゆきます。
かと言って、娘に同性愛を勧めるつもりもありません。
娘が迷った時には、母親としての意見を言うつもりです。
でも、娘の決めた、行こうとする道は、全力で応援してゆこうと思います。
子供には、親を独占する権利があり、親には、それを受け止める義務があります。
もう暫くすると、娘が元気に帰ってきますので、この辺で、筆を置かせていただき
ます。
とりとめのない乱筆、乱文、お許しください。
また、同性愛を趣旨としたこのコミュに、このような期待外れな手記を投稿してし
まうことをどうかお許しくださいますよう…
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