午後5時半過ぎ、
鳶から終業のメールがあり鶴橋駅へ。
想像したより綺麗な街並みだったけど、
雰囲気はドヤ街のそれ。
駅の左側奥に見えるパチ屋まで来てくれとの指示。
得体の知れない鳶職の男と、
鶴橋のパチ屋前で待ち合わせ。
この状態に怖さと興味に心が踊る。
パチ屋の入り口が見えたが、
それらしい男は誰もはいない。
メールを打ってるとの着信音が鳴る。
パチ屋右横の路地を進みコカ・コーラの自動販売機のあるマンション前で待ってるとのメールが。
マンション?
ヤバくない?
ガテンの自宅?
同棲中じゃないのか?
騙されてる? 事件になる?
恐怖と興奮の葛藤の渦の中を歩いてると、
すぐに自動販売機。
左奥にのマンション入口だ。
奥を覗くが誰も居ない。
安堵と失望を感じながらマンションホールへ進む。
その時エレベータが開く。
中に男。
短髪で茶髪の鳶装束の男がエレベータから出てきた。
明らかに亮だ!
歩いてくる男の印象は、肩幅が大きく腰の締まったガッチリした男。
彼の顔を見た瞬間、怖さより興奮が漲る。
予想よりいい男だ! 80点槌
薄く笑いを浮かべながら軽く頭を下げるガテンの男。
細く整えられた眉、短めの濃い睫毛で涼やかな奥二重の眼。
綺麗な鼻筋に男のシンボルを思わせる少し張った小鼻。
薄く冷たそうな唇からは、
メールの人? と愛想笑いが浮かぶ。
ノンケ特有の吹っ切れた感じの男らしさが溢れてる。
それが鳶亮の第一印象だ。
俺は頭の先から脚の付け根までを舐める様に鳶を査定する。
俺の慇懃無礼な目線に、
今からする行為の現実を認識したのか、
僅かに顔を曇らせた。
2人はエレベータに乗り込み、
鳶装束の男はエレベーターのボタンを押した。
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