僕はさっそく、おじさんちにあるエロ本を手当たり次第に漁り始めました。
学校帰りに友達と一緒だったときにはそれほど話し掛けたりはしてこなかったおじさんが、その日は僕一人だけだったからか、積極的に話し掛けてきていたのを覚えています。
「エッチな本好きなんだ?」
息がかかるほどの距離でそう聞かれます。
「ちょ、近いっ」
僕は笑いながら逃げます。
が、彼はその後も執拗に僕のそばにきて、話し掛けてきたのです。
「キミはどんなのが好き? よかったらおじさんが探してあげるよ」
「いいよそんなの。自分で探すから」
正直、いつもみたいに放っておいて欲しかったです。というか、できれば早いところ寝て欲しかったです。一人きりでエロ本に集中したかったんで……。
けれど、そんな僕の思いとは裏腹に、おじさんはいつまでも僕にまとわりついてきていました。
おじさんがホモだっていうのは、噂には聞いていましたが……。
どうやら本当みたいだぞと、このとき僕は思い始めていました。
けれどどこかで、「ホモなんて別にたいしたことない」と考えていたことも否定できません。
自分が女の子ほど魅力的じゃないから、たいしたことはされないんじゃないかって。
それはとても甘い考えで、本物のホモがどういうものか全く知らない世間知らずな中学生の思考だと、後で分かったんですけど。
まあ、当時はそんなこと分からなくて当然です。
だから僕は、おじさんが近くにいても、息を吐きかけてきても、構わずエロ本を物色し続けました。いつも遠慮がちにしていたのとは違い、手当たり次第にお気に入りの一冊が見つからないかと、飢えた感じで鼻息荒く本の山を崩していったのです。
床一面にエロ本を広げて並べ、また次の本に手を伸ばします。
ページをめくればめくるほど、興奮は高まります。
どの本にも、とてつもなくキレイでいやらしい女の人の裸が載っていましたし、それぞれの本にいいところがたくさんあって、お気に入りの一冊どころか、すべて持ち帰って一生保存しておきたいぐらい感動しっぱなしだったんです。
女の人のおっぱい、わきの下、お尻、ふともも、生足。
男優さんとキスをしている写真や、ペニスをハメられて悶絶している写真。
抜ける画が次々と目に飛び込んできて、脳に刺激を与えていきます。
縄でギチギチに縛られた黒髪のモデルさんは、数人の男に身体中を舐め回されていました。精液が女の人の口に溜まっているところも、初めて見ました。
すべてが魅力的で、僕はおちんちんを痛いほど膨らませて、また次のページをめくります。
次第に、オナニーがしたくてしたくてたまらなくなってきました。男なら誰でも分かると思いますが、あのどうしようもないむずむずとした感覚です。あれが、限界にまできているような感じでした。
おじさんが近くにいて、しょっちゅう話し掛けてくるというのに──僕は床に寝そべり、バレないように腰を強く床に擦りつけたりしていたのです。
今思えば、完全に興奮しているのがバレバレだったと思いますが……当時はそんなことに頭を回す余裕すらありませんでした。
心のうちでは「おじさん早く寝て」と祈りながら、エロ本のページを食い入るように見つめていたのです。
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