ハタチの頃の話しで全然エロくないです。
当時はまだ女装もしていなかったし、女装という世界があることも知りませんでした。
夏の夜、マイクロバスの中は最年少のわたしから父親くらいまでの年齢幅で、翌日に観戦するカーレースのサーキットへ向かう途中でした。
お酒もありワイワイとした雰囲気の中「隣の車でいちゃついてるぞ」と誰かの言葉。
一斉に隣の車を覗き込む。信号待ちをしている車はオープンカーでした。
男と女が股間を触り合っている。誰かが口笛を吹いてちょっと冷やかした。二人はそれでも止めずに続けていた。
信号は青に変わりマイクロバスは置いていかれてしまったけど、車中はまだ先ほどの光景をお酒のツマミにしていた。
と、ぽつりと一言
「今の男同士じゃなかった?」
「えーー!」
「二人ともあったぞ?」
マイクロバスは必死にオープンカーを追いかけ信号で並んだ。すると、ある、付いてる。見せつけようとしていたのかもしれない。
あれからだいぶ年は経ったけど、自分も同じ世界に入ったんだなあって思う。オープンカーでいちゃついたことはないけど。
夏が来ると思い出す一コマです。