この夏、僕の身に起こった衝動的な出来事をお話します。
少し長いですが、良かったら読んでください。
僕は女装が趣味なのですが、このところスランプ気味で、春から仕事が忙しくなった事もあり、半年以上も女装をしていませんでした。
女装をする人は分かると思いますが、男らしい体の部分を女らしく改善しても、別の部分が新たに男らしく感じ始めてしまい、際限のない状況になってしまうのです。
例えば、すね毛を綺麗に除毛すると、ゴツゴツした膝や筋張った筋肉が目立ったり、眉毛を細く整えると、おでこの男らしさが目立ったりして、本物の女性に近づく事はとても難しい事でした。
僕は何年間も女性に近づこうと試行錯誤を繰り返していましたが、最近の僕は女装の限界を感じていて、女装しても自分が女らしく見えなくなっていました。
しかし、7月の中頃に仕事が一段落し、職場の同僚とゴルフに行った時に転機が訪れました。
ラウンドが終わって同僚とロビーで話をしていると、見知らぬおじさんが話しかけて来ました。
「お兄さん、男だったんだね!」
僕はおじさんが何を言っているのか分かりませんでしたが、彼は
「ラウンドが終わって大浴場に行くと、洗い場に女がいてびっくりしたよ!」
と言い、僕が大浴場の椅子に座って頭を洗っている姿を見て、女が男湯に入っているのかと思ったと言い出しました。
興奮気味に話をするおじさんは、僕の裸が如何に女らしかったかを力説していて、僕の男性器を確認するまでは、僕が本物の女だと思っていたと言いました。
すると同僚達も、言われてみれば僕が最近女っぽくなっていると言い出しました。
確かに僕は、女装をしなくなってからも、骨盤を広げるストレッチや肩幅を狭くする体操を日課にしていて、家にいる時はコルセットで肋骨を絞って矯正していたり、毎日美肌の為に女性用のサプリメントを飲んでいたり、日々のスキンケアを継続していました。
いつの間にか僕は、坊主頭の髪型なのに裸の状態でも女だと勘違いされる状態になっていました。
僕は、おじさんや同僚達の話を否定しながらも心の中で喜んでいて、久しぶりに女装外出をしたい衝動が湧いて来ました。
休日出勤が続いていた僕は、溜まっていた代休を消化することにして、平日に連休を取り女装外出をする事にしました。
当日、男の格好で大きなキャリーバッグ二つ分の荷物を持った僕は、二連泊の予約をした地元のビジネスホテルにチェックインし、軽くシャワーを浴びて、ホテルの部屋の姿見に全裸姿を映しました。
改めて見た僕の体は、肌が以前よりもスベスベしていて、痩せているのに程よくついた皮下脂肪のお陰で、男らしいゴツゴツした印象がなくなり、滑らかな女の体になっていました。
そして、約半年ぶりに女装をする僕は、気合が入っていたのでを、昨日の晩に陰毛を剃り、かつら用の接着剤で男性器をタックしていたので、僕の股間は一本筋の割れ目の状態になっていました。
また、胸は女性用の美容サプリメントに含まれるプラセンタの作用で、この半年の間にAカップ程度の大きさに膨らんでいて、コルセットで毎日絞っていたウエストは肋骨が細く矯正されたことでくびれていて、日頃のストレッチや体操の成果で、骨盤は横に広がり肩幅は狭くなっていました。
僕は鏡の前で、胸を張り背中を反らしてお尻を後ろに突き出す姿勢をすると、鏡には少し背の高いアスリート系の女子高生のような裸が映りました。
確かに、この裸を見れば僕を女だと勘違いするのも仕方がないと思えました。
僕はスランプを脱したようで、自分の裸に女としての違和感がなくなっていて、見ているだけで嬉しくなり顔が勝手に微笑んでいました。
僕は日焼け止めの成分を含んだボディクリームを全身に塗りながら、鏡に映る自分の女体を十分に鑑賞した後、外出の準備をする為にヌーブラやテープで胸の谷間を作ってから女物の下着を装着し、スランプの間に通販で衝動買いした洋服を試着する事にしました。
先ずは、チュールスカート付きのキャミワンピから試着してみると、コットンで出来た薄いグレーのキャミソール部分は生地が薄く、下に着ているブラが刺繍や縫い目まではっきりと浮き出ていて、下に厚めのTシャツを着ないと外出は無理そうでしたが、それよりも、スカート部分の丈が短すぎて直立している姿勢でギリギリ下着が見えない状態で、とても外に着て行ける物ではありませんでした。
1アウトか…。
試着が出来ない通販ではよくある事ですが、背の高い僕はスカートの丈が短すぎる事が多く、このキャミワンピはダメ元で買った安物だったのでダメージはありませんでした。
その後も、持ってきた女物の洋服を試着し、結果的には4勝1敗1引き分けで、外に着て行けない洋服は、最初に試着したキャミワンピだけだったので安心しました。
あっ、1引き分けというのは、露出が多くて外を歩くには勇気がいるワンピースの事で、勝ちでも負けでもない感じでしたが、このワンピースが一番セクシーなものでした。
僕は露出が控え目で、今年流行の胸元が透けているレースのワンピースを着る事にして、メイクを開始しました。
化粧水と乳液を塗った後、医療用のテープをウィッグで隠れる頭部に貼って皮膚を引き上げると、顔の輪郭や首が細くなり、皺のなくなった僕の顔はかなり若返り、より女らしくなりました。
男である僕は、平均的な女性よりも顔の彫りが深いので、ハイライトとシャドウを女性とは逆に塗り、顔がなるべく平坦に見えるようにベースメイクをして、10代の見た目に合わせたアイメイクを施しました。
現実の僕は30前の男でしたが、女装した僕はかなり若く見え、メイクやファッションは女性アイドルのメイクや私服を参考にしていました。
普段、男として生活をしている僕は、髪の毛を伸ばすことが出来なかったので、フルウィッグが必需品でしたが、最近のウィッグは安くて可愛いデザインのものが多く、坊主頭にしているお陰で、額に食い込むウィッグネットを装着せずに済んでいました。
意外かもしれませんが、女装をする人には短髪の人が多く、ほとんどの人が僕と同様にウィッグを被る為に短髪にしていました。
また、男として生活している僕は、ピアスを開ける事が出来なくて、イヤリングを愛用していましたが、ピアスと比べてイヤリングは種類が少なく、その事が不満の一つでした。
僕は外出の目的を、可愛いイヤリングを探すことに決めて、流行りのチョーカーもついでに買うことにしました。
メイクが完成した僕は、カラコンと付け爪を装着し姿見の前に立つと、そこには嬉しそうに微笑む可愛い少女が映っていました。
僕が参考にしたワンピースは、乃木坂46の吉田綾乃クリスティーさんの私服と色違いのものでしたが、彼女より身長が10センチ程高くて痩せている僕は、彼女よりも女としてのスタイルが良かったので、写真に映ったアイドルの脚が酷く短く思えました。
男性には分からないと思いますが、女がおしゃれをする対象は男性に向けてのものではなく、同性に向けてのもので、他の女よりも自分が綺麗になったり可愛くなる優越感は脳が痺れる程の快感でした。
まして、その対象が一般の女性ではなく、一流のアイドルとなれば、僕の快感はマックスになり、顔が熱くなりました。
それは、お酒に酔っている状態に似ていて、僕は正に「自分の可愛さに酔っている」状態でした。
僕は理想の女に近づけた事が嬉しくなり、ワンピースと同じ白いレースのソックスと厚底のブーティサンダルを履き、お気に入りのクロエのバッグを持ってホテルの廊下に出ました。
ホテルの廊下は無人でしたが、約半年ぶりの女装外出に緊張した僕は、酔いから醒め始め、急に不安になって来ました。
そして、エレベーターホールまで来ると、僕は体形を隠す為のカーディガンを着た方がいいかも…とか、顔を隠す為のマスクを持ってきた方がいいかも…と思うようになり、一旦、部屋に引き返すことにしました。
しかし、タイミングが悪いことに、廊下には子供連れの若い夫婦が出ていて、部屋に引き返すには、彼等と狭い廊下ですれ違わないといけない状況になりました。
僕はやむを得ずエレベーターのボタンを押し、子供連れの夫婦から逃げることにしましたが、僕がエレベーターに乗り込むのと同時に彼等もエレベーターの前まで来てしまい、結果的に僕は彼等と一緒に狭いエレベーターに乗り込むことになってしまいました。
緊張していた僕は、彼等と目を合わせないように俯いていましたが、小学生くらいの女の子が僕の顔を下から覗き込み、嬉しそうに
「ママ、このお姉ちゃん凄く綺麗!」
と、普通の声量で話し始めました。
すると、僕と目を合わさないようにしてくれていた夫婦も僕の顔を見て
「本当だね♪」
と言うと僕に微笑みました。
僕は女装がバレなかったことに安心し、微笑んで会釈をすると、エレベーターはフロントのある3階に停止し、女の子は
「お姉ちゃんバイバイ♪」
と言って両親と一緒に降りて行くと、エレベーターの前に立っていた若い女性従業員に向かって
「このお姉ちゃん可愛いよね?」
と話しかけました。
すると女性従業員は
「本当!すごく可愛いね」
と女の子に言うと僕の方を見て
「行ってらっしゃいませ♪」
と微笑みながら言ってくれました。
僕は客観的に見られても男だとバレなかった事に安心し、1階に到着したエレベーターから降りて、昼下がりの街に繰り出しました。
久しぶりの女装外出は新鮮で、むき出しの生足に絡みつく初夏の生暖かい空気を感じ、歩く度に揺れるスカートの感触が
「今、自分は女装をしているんだ」
という実感を湧かせました。
約半年ぶりに女装した僕は、女らしい姿勢や歩き方を確認するように歩き出しました。
ホテルの1階にあるショップのショーウィンドウには、ヒールを履いて颯爽と歩く僕が映っていて、初めてヒールを履いた時の膝が曲がった不格好な僕の姿はありませんでした。
そして、人通りの少ないホテルの前の路地を抜け、メイン通りに差し掛かると、平日だというのに人が多く、特に若い人が多い事に驚きました。
僕は学生が夏休みになっていた事に気づき、人の少ない平日に休みを取ったことが、意味のないことだったと後悔しました。
やはり、女装姿を多くの人に見られる事は恥ずかしく、僕はなるべく目立たないように俯いて歩きましたが、周りから軽蔑の眼差しで見れていないことや、ショーウィンドウに映る自分の女らしい姿を見ている内に、自分の女装に自信が出てきて、胸を張って肩幅を狭く見せる姿勢をとりました。
顔を上げて歩いていると、すれ違う若い女性が視界に入りましたが、みんな僕よりも女としてのレベルが低く、僕は歩く度に自信がついて行きました。
あっ、視界に入るという表現をしたのは、女性は男のようにジロジロと人の顔を見ることをしないで、広い範囲を注意深く見ていたので、僕も女装をしている時は女性の様に広い範囲を見るようにして、態度で女装がバレないように気をつけていました。
すると、向かいから一人の女性が歩いて来ましたが、その人は一目で男と分かる女装をしていました。
僕が最初に違和感を持ったのは彼の服装で、彼の着ているワンピースは流行を無視したものでした。
しかも、彼の体形や姿勢や歩き方は男そのもので、何より口元のつくりが男にしか見えない状態でした。
やはり、女装をする人にはマスクは必需品で、僕は思わず手鏡を出して自分の顔を確認してしまいました。
しかし、僕の顔は十分に女性に見え、それどころか周りにいるどの女性よりも美人だったので安心しました。
僕は男丸出しの彼が気になり、しばらく彼を尾行する事にしました。
彼の姿は、安そうなボサボサのウィッグを被り、広い肩幅と分厚い胸板をしていて、胸の高い位置にある不自然な形の偽乳が上半身の逞しさを強調し、ノースリーブのワンピースからは筋肉質の逞しい腕が伸び、ゴツゴツとした手の甲には血管が浮かんでいました。
また、くびれのない胴体と、上半身と比較して小さなお尻は、補正されることなくミニのワンピースが張り付いていて、短すぎるスカートからは太く筋肉質な脚が伸び、ピンヒールを履いた足元から「ノシノシ」という音が聞こえてきそうな男らしい歩き方をしていました。
僕は女らしさの欠片もない女装男に驚きましたが、それよりも驚いた事は、彼とすれ違う人達が彼に全く無関心だった事でした。
僕とは比べものにならない程、レベルの低い女装男が堂々と歩いているのに、自分は女装がバレるかもしれないと緊張していた事がバカバカしくなりました。
結果的に僕に女としての自信をつけてくれた彼と別れた僕は、自分が本当に女に見られているかの最終確認をすることにしました。
確認の方法は単純で、男からナンパされるかどうかでした。
僕はナンパのメッカであるファッションビルに続く歩道を歩いていると、平日の昼下がりなのに夏休み中ということで若い人が多く、ナンパ師も何人か獲物を狙って立っていました。
僕が10代後半から20代前半の女の子達と肩を並べて歩いていると、一人の男が僕と並ぶように歩き出し声をかけて来ました。
「ねえ、彼女、一人?今、時間ある?」
僕はナンパゾーンに入ってすぐに声をかけられました。
僕の周りには本物の若い女の子が何人も歩いていましたが、彼女達はナンパ師から無視されていて、声をかけられたのは僕だけでした。
残酷な話ですが、女は見た目が全てで、その場には可愛くてスタイルの良い僕に敵う女はいませんでした。
僕の女装は遂に「不気味の谷」を越えることが出来ました。
「不気味の谷」とはロボット工学の用語で、ロボットと人間との類似度を横軸に、そのロボットを見た人間の感情的反応を縦軸にした時に現れる谷のようなグラフの曲線を言い、ロボットが人間に似てくるにつれ、そのロボットを見た人間はロボットに好感を持つようになりますが、完全な人間の見た目になる直前に、人間の好感度が嫌悪感に変わり、そのロボットを不気味に感じる現象のことをいいました。
精巧な蝋人形を怖いと感じたことのある人は多いと思います。
また、逆に本物の人間とかけ離れたアニメのキャラクターに親近感を持つ人が多いのも、この現象が原因でした。
これは女装にも言えることで、スランプになっていた僕は、女性と微妙に違う見た目が違和感と不気味さを感じさせていました。
僕は自分が他人から完全な女に見られている確信を得られ嬉しくなりました。
しかし、僕は必死に僕を口説いてくるナンパ男を無視していました。
意外かもしれませんが、僕は女装をしますが男には全く興味がなく、恋愛やセックスの対象は女性だけなのです。
それでは、何で女装するのかというと、可愛い女の子になる事は、それだけでとても気持ちの良い事で、その気持ち良さは男や不細工な女には一生味わう事の出来ない特別なものでした。
僕には、可愛い女の子が更なる刺激を求めてアイドルになる気持ちが良く分かり、出来ることなら僕も女性アイドルになって皆から見られたいと願う程でした。
僕はナンパ男を振り切る為に、女の子達の流れに従ってファッションビルに入りました。
さすがに、女物のお店しかないファッションビルの中までナンパ男は追ってきませんでした。
ファッションビルは冷房が効いていて、僕は自分が汗をかいていた事に気づき、メイク崩れを確認する為に女子トイレに入ることにしました。
女子トイレには何度も入ったことがありましたが、定期的に清掃されている筈の商業ビルのトイレは、いつもの様に汚れていました。
男性には分からないと思いますが、女子トイレの汚れ方は男子トイレとは違い、故意にゴミを捨てて汚している感じで、中国人の汚し方とよく似ていました。
女も中国人も自分さえ良ければいいと思っていて、とてもモラルが低く、男子トイレの不可抗力で床におしっこをこぼす汚れ方とは質が違いました。
やがて、汗が引きメイク直しが終わった僕は、店内に戻り買い物を楽しむ事にしました。
1階のアクセサリー売り場には、可愛いアクセサリーが沢山ありましたが、やはりピアスに比べ、イヤリングの品揃えは悪く、気に入ったイヤリングを探すのに苦労しました。
僕は、いっそのことピアスを開けようかと思いましたが、ただでさえ女らしい僕がピアスをして会社に行くと、色んな噂がたつので諦める事にしました。
そして、気に入ったイヤリングとチョーカーを幾つか買った僕は、ついでに洋服を見ることにしてエスカレーターに向かうと、女物のお店しか入っていないファッションビルに似つかわしくない男の子達が僕の後をついて来ました。
彼等は、1階のアクセサリー売り場にいる僕を、入り口に集まって見ていた子達で、僕の見た目について「可愛い!」とか「モデルじゃない?」とか「ブラ紐が透けてる!」と話をしていました。
すると男の子達は僕の予想通り、エスカレーターに乗っている僕を見上げながら小声で
「見えた!」とか「白のレース!」とか「ハミケツしてた!」
と言って嬉しそうにはしゃいでいました。
彼等は僕のスカートの中を覗いて盛り上がっている様子でしたが、彼等が見たものはパンティではなく、スカートの裏地やショーツの上に重ね穿きしているショートパンツでした。
膝上丈より短いスカートで生活をしていると、座ったり屈んだりする瞬間に、ほぼ100%の確率でスカートの中が見え、普通の女性にとってミニスカートを穿く時にショーパンを重ね穿きする事は常識で、僕も当然のようにレースの見せパンを穿いていました。
しかも彼等の見ていた物は男のお尻で、僕は何だか彼等が哀れに思え、同時に可愛いと思いました。
その後も男の子達は僕の後をついて来ましたが、ナンパをしてくる気配がなかったので、僕は彼等を無視してショッピングに集中することにしました。
お店では、ショップの店員さんとおしゃべりを楽しんだり、お客さんから店員さんに間違えられたりしながら存分に女の子の気分を味わいました。
やはり、女性は見ていないようで他人をよく見ていて、僕が着ているワンピースが地元では売っていない益若つばささんがプロデュースしたブランドのものだと気づいていましたが、そんな鋭い観察眼を持つ女の子達も、僕が男である事には気づいていませんでした。
ちなみに僕は、何年も女装の為にボイストレーニングをしていて、喉ぼとけを引っ込めることで女声を出せるようになっていて、声で女装がバレることはありませんでした。
厳密にいえば、このテクニックは大人の男の声を、声変り前の少年の声に戻すテクニックなので、本当の女声ではありませんでしたが、低音の響かない子供の声は女声と区別が出来ない状態でした。
この発声方法は習得に時間がかかりましたが、男らしい喉ぼとけの出っ張りが目立たなくなる効果もありました。
僕は自分が男だったことを忘れる程に幸せを感じていましたが、僕の後をついてくる男の子達も、僕のスカートの中を覗くことで幸せを感じている様子でした。
僕は男の時に、階段の前を歩く女性からバッグや手でスカートの後ろを押さえる仕草をされた経験が何度もあり、自分が痴漢扱いされたような気分になっていたので、自分がスカートを穿く時は、見られてもいいショーパンを穿いてスカートの裾を押さえないようにしていました。
そのことが珍しかったのか、それとも男の子達がLINEで「パンツ丸見えの女がいる」と連絡を廻したのか、僕のスカートの中を覗くギャラリーは徐々に増えていました。
僕は男には興味がありませんでしたが、男からセックスの対象の女として見られる事は気持ちの良いことで、もっと見られたいという願望が出てきました。
今、着ているワンピースはひざ上15センチくらいの丈で、エスカレーターの下からはギリギリパンツが見えない状態でしたので、僕は商品の入った紙袋をホテルに持って帰るついでに、もっと丈の短いスカートに着替えることにしました。
すると、驚いたことに、ファッションビルを出てホテルに向かう僕の後を男の子達がついて来ました。
僕も中学生くらいの頃は、可愛い女の子の透けて見えるブラや、短いスカートに興奮した経験があったので、始まったばかりの夏休みに浮かれている彼等の気持ちも分からなくはありませんでした。
彼等は僕をナンパする勇気はない様子でしたが、僕の5メートルくらい後を執拗に追ってきて、何とホテルのエレベーターに3人の男の子が一緒に乗り込んできました。
僕は泊まっている部屋をとくて特定されたくなかったので、強制的に停止するフロントのある3階で降りることにしました。
すると、男の子達も僕に続いて3階でエレベーターを降りましたが、やはり僕と距離を置いていて、小声で僕の話をしながら嬉しそうにしているだけでした。
僕はフロントの前に置いてあるパンフレットを手に取り、読むふりをしながら、彼等が立ち去るのを待ちましたが、彼等はパンフレットを読む僕を嬉しそうに眺めていてホテルから出ていく気配がありませんでした。
僕が途方に暮れていると、行きのエレベーターで僕に挨拶をしてくれた若い女性従業員が微笑みながら僕に話しかけて来ました。
「お帰りなさいませ、大浴場でしたら16時50分までが女性用となっておりますので、今でしたら、ご利用になれますよ♪」
僕の泊まっているビジネスホテルは、3階に男女入れ替え制の大浴場が一つあり、女性従業員は、僕がパンフレットで大浴場の入浴時間を確認していると勘違いした様子でした。
僕は、僕が視界からいなくなれば、男の子達も諦めてホテルを出ていくかもしれないと思い、コインランドリーコーナーの奥にある大浴場の脱衣所で時間を潰すことにしました。
大浴場の入口の前には、別の女性従業員が立っていて、微笑みながら僕を見ると
「どうぞ♪あと30分程で入れ替えですので…」
と言い、男の僕を女湯に案内してくれました。
時間は16時過ぎの中途半端な時間でしたので、大浴場に人がいないと思っていた僕の予想に反して、脱衣所には若い女性が3人もいました。
彼女達は洋服を脱ぐ動作を一瞬だけとめて、僕を見てきましたが、すぐに洋服を脱ぐ動作を再開させました。
幸運にも、彼女達も僕が女だと思ったようで、警察に通報される最悪の事態は避けることが出来ました。
しかし、次々と洋服を脱いでいく女性達の隣で、洋服を着たままでいる事は不自然で、かと言って、すぐに大浴場を出て行くことも不自然でした。
僕は、やむを得ず畳んで置かれているタオルを何枚か取ってロッカーの前に立ち、ゆっくりと着ていたワンピースを脱ぎ始めました。
実は僕には、女装のスランプになる前に、女装をして何度か女湯に入ったことがありました。
女湯と聞くと男性はハーレムのような場所を想像する思いますが、実際の女湯は酷い所で、女子トイレと同様にゴミが散乱し、何より、中にいる女性のほとんどが体形が崩れていて、ハーレムというより相撲部屋に近い感じで、目を背けたくなることはあっても、性的に興奮することはありませんでした。
勿論、中には若くて綺麗な女性もいましたが、ゴミ集積場にケーキが置かれていても食欲が湧かないのと同じで、やはり性的に興奮することはありませんでした。
ゆっくりと洋服を脱ぎ下着姿になった僕をしり目に3人の女性達は全裸になり、嬉しそうに大浴場に入って行きました。
僕は、このタイミングで一旦脱いだワンピースを着て大浴場を出て行こうと思いましたが、脱衣所の大きな鏡に映った僕の下着姿は、同じ鏡に映る全裸の女性達に引けを取っておらず、むしろ僕の方が女としてスタイルが良く感じました。
それに、女の子として買い物を楽しんで来た僕は、女の精神状態になっていて、若い女性の裸を見ても男としてセックスの対象として彼女達を見ることはなく、まるで同性と一緒にいるような感覚で
「僕の方が脚が細くて長いし、お腹も出てなくてスタイルでは絶対に負けてない」とか
「僕よりおっぱいは大きいけど、その分、乳輪も大きいし少し垂れてるから、僕の方が形の色も綺麗」
と思っていて、男として興奮することはありませんでした。