いつからか、どうしてだかわからないけど、私はインモラルなシチュエーションに興奮を覚えてしまう…。
ホテルやお家で愛情を感じながら男の人に抱かれることも、それはそれで素敵なことだと思う。
綺麗だ、可愛い、好きだよ、気持ちいい?気持ちいい!
そんな言葉を耳元でささやかれながら、時間をかけて舞の気持ちいい場所を愛撫して、キスをして、感じさせてくれて、お互いに気持ちよくなって、快楽に身を委ねる…。
そんな時間は幸せに感じられる。相手の人が少しでも舞に好意を持ってくれていれば、それが伝わってくるので、とても嬉しい。
でも、性的な興奮を感じるのは、そんな場所、そんなシチュエーションじゃなかったりする。
ポルノ映画館、満員電車、公園、公衆便所…。
場末の場所、他の人に気付かれてはいけない場所、誰かに見られるかもしれない場所、汚いすえた臭いの場所…。
そういう場所で、誰とも知れない男に身体を弄られ、口に肉棒を咥えさせられ、後ろから慰みものとして犯される…。
こらえられない喘ぎ声と、お尻を打ち付ける音を聞きつけた別の男たちが虎視眈々と狙い、男が精を吐き出した後に、入れ代わり別の男が舞の中に入ってきて、その繰り返し…。
何時間も休みなく犯され続け、全てが終わった後は、男の精に体中を汚された自分だけが取り残される…。
夜、ベッドに入るとそういう光景を想像して、自分を慰めてしまうこともある…。
そして、その光景を実現したくなって、夜中に街を彷徨ってしまう…。
車通りが全くといっていいほどない、国道と呼ぶにはあまりに寂れて辺鄙な場所に、隠れた穴場がある。
ゲイの人の発展場にはなっていて、ごくたまに女装子さんのカキコミが見られる場所。
カキコミがあったので、ダメもとで車を走らせる。
その場所に着いたら、たしかに車が一台止まっていた。
あえて少し離れた場所に車を止め、車から外に出た。向こうから車のドアを開閉する音が聞こえた。
やがて、足音が徐々に自分の方に近づいてくる…。
すぐ後ろに誰かが立っているのは気配でわかっている。
でも、振り向かない…。
極限まで短くしたスカートの中、お尻に直接手が這う…。
やがて、指がお尻の間をなぞり、穴を弄ってくる…。
もう自分の中で快楽を貪りたい気持ちが抑えられなくなる…。
でも、手は舞のお尻から離れていく…。
そう、自分だけ気持ちよくなるにはいかないんだ…。
男と正対し、跪かされ、ズボンから肉棒が取り出されると、することは一つ…。
お口に含み、気持ちよくなってもらえるよう、ひたすらご奉仕する…。
もともと大きかったものが、徐々に口の中で固くなっていく感覚は、性処理便器としては、やり甲斐すら覚えてしまう…。
誰も来ないだろうとはわかっていても、道路に面した場所で、いつ車が通るかもわからない状態で、口を犯される状況に、どんどん頭がおかしくなってしまう…。
「どうされたいの?何をしてほしいの?」
お口でのご奉仕を続けている舞に、男が囁きかける。
もう頭の中はいっぱい…。
「舞のお尻を犯してください…」
自分でお尻の穴にローションを塗り込め、車のボンネットに手をつき、脚を開いてお尻を突き出す…。
早く、早く…。
固くなった肉棒がお尻の穴にあてがわれ、ズブズブと体の中に沈み込んでいく…。
風になびく葉の音と、微かに鳴く蟲の音と、遠くから聞こえてくる波のさざめき…。
小さな音の重なりを切り裂くように、舞のお尻に叩きつける、パンパンというリズミカルな音と、クチャクチャというローションと体からにじみ出る液体の混じった音…。
誰にも見られたくない…。でも、みんなに見られたい…。
冷静にそのアンビバレントな感情に戸惑いながら、一方でいろんな器官が快感を貪り蠢いて、感情を快楽が上書きしていく…。
お尻の中からこみ上げてくる快感で、絶頂を迎えそうになる寸前で、後ろの男が舞の中で果てていく…。
特に言葉を交わすでもなく、後始末をしてくれるわけでもなく、男は舞の元から離れていき、やがて車のエンジン音が聞こえ、走り去っていった…。
まだ快感から抜け出せず、お尻を曝け出してしゃがみ込んだままでその音を聞いた。
でも、それでいい。私はただの性処理便器なんだから…。
決して、愛情を感じられる時間がいらないわけじゃない。
でも、こんなインモラルな時間が舞には必要なんだと思う。
そんなインモラルを求めて、また夜の暗闇に車を走らせることになる…。