仕事から帰ると、汗まみれになったナベシャツを脱ぎ棄てて、独り身の
気楽さから、ショーツとミニのキャミソールだけの姿で過ごしています。
誰かが訪ねてくる予定のときは短パンとTシャツになっているのですが、
その日ドアチャイムが鳴ったときは女モードでした。
インターホンのカメラで宅配業者の姿を確認したわたしは何の抵抗もなく
ドアを開けました。
暑さボケのせいもあったのか、自分ではTシャツ、短パンの男モードだと
思い込んでいたのです。
配達のお兄ちゃんの驚いた表情と、視線を感じて初めて状況を理解した
わたしは逃げるわけにもいかず、呆然と印鑑を片手に立ちつくしていまし
た。
いくら暑い日とはいえ、ショーツと臍も隠れないミニ丈のキャミを着た
太った小母さんの姿は、お兄ちゃんの目にどう映ったのかと思うと、今で
も恥ずかしさに身の置き所がありません。