((飛び飛びでスミマセン))
テーブルに置かれたその本を 私を真ん中にして3人で寄り添うようにページを捲ります。
一枚一枚と捲る毎に…私はまるで自分が着ている洋服を脱がされていくかの様な‥それもメーカーやブランド名、サイズや染み込んだ汗の匂い迄も確かめられているかの様な感覚に貶められた気持ちです。
ボ‐っとしていた方が楽かも知れません‥でもそんな情けない顔は出来ないから、唇を軽く噛んでその場が過ぎるのを我慢します。
痴漢・セクハラ・レイプ・ラブストーリー~不倫まで、そしてオ〇ニー…多彩なストーリーが一冊に入っています。
顔を知られない為に、わざわざ遠くの駅まで行って それを買い求めた時には正直なところ(早く部屋に帰って見るのが楽しみ‥)みたいに秘かにちょっとエッチな気持ちを覗かせてワクワクしていました。
でも今は、逆にそれが仇となって‥
そのストーリー全てが私の願望であるかの様な誤解を打ち消したい‥!
でも息が詰まって(緊張して喉もカラカラで)何も喋れません。
2人は相変わらず口々に『スゴォ‐イ!こんなコトするんだぁ』とか(わざと!)無邪気を装う発言ばかりです。
時折 私にも『ねぇ、スゴイよねぇ』とか『うわぁ‥ これエッチィ!読んでて恥ずかしくなるぅ』なんて振って来ますが 私はいつも「…ウン …ウン……そうだね ウン‥」と小さな声で相槌を打つしか出来ません。
『もぅ そろそろ寝ようか‥?』A沙サンが言いました。
(ウソ‥!?)A沙サンが助けてくれた‥本当に!?
私は心に感謝の涙を流しながらA沙サンの方を見ました。彼女は私に優しく微笑みかけてくれています。
ありがとう…本当にこの一心でした。
普通冷静に考えると最初に意地悪を仕掛けたのも彼女なのですが…でもその時は そんな勘繰りをする余裕も、またそれ以上に(企みなのに)そんなA沙サンの優しいフォローを疑う様な失礼な考えは全くありませんでした。
ありがとう‥本当にありがとう‥ 私は心の中でずっとそう叫んでいました。
早くベッドに入ってグッスリと良い夢を見て眠りたい‥ そう思った時に…
H美サンが言いました『ねぇ A沙ァ、私も今夜こっちの部屋で寝て良い?』。
「えっ‥?」と一瞬思いましたが それでも(仲が良いんだなぁ‥)くらいに微笑ましく思っていました。