私はなんと言っていいのかわかりませんでした。こんな美少女に
「好き」といわれてしまったら誰だってパニックになると思います。
急に美咲は私に顔を近づけてきました。彼女のまぶたが閉じたと思った
ら、キスしてきました。恥ずかしいけれど私のファーストキスでした。
キスが長かったのか短かったのか覚えていません。私は美咲のような
清楚な美少女がキスするのが不思議で、でも「美咲ほどの美人だったらキス
の経験もあって当たり前だよね」と矛盾したことを考えていました。
気がつくと私は美咲に抱きついていました。美咲から
「先輩、私の恋人になって」
と言われ、私は夢見心地で頷いていました。
それからは美咲と私は恋人同士になりました。図書室では人がいなけれ
ばキスを何度もしました。当番の日以外の登下校も一緒にするようになりま
した。休日もほとんど一緒に遊びに行きます。
こんな冴えない私のどこを美咲が気に入ったのか今でも不思議です。
でも、世の中には、『ブス恋』のようなカップルだっているし。2人でいる
ときは美咲が何事もリードします。最近は「先輩」とは呼ばず、「くみちゃ
ん」とか「くみ」と呼んできます。私もあまり抵抗がありません。
○○さんのことは美咲の誤解です。実は、私の同級生が美咲に告白した
ときに、あまりしつこかったので美咲は「くみ先輩のことが好き」と言って
断ったそうです。そうしたらその子は、私と○○さんが恋人同士だから諦め
て自分と付き合ってほしい、というようなことを言ったらしいのです。腹が
立ちましたが、結果として美咲と恋人になれたので気にしないことにしま
す。