昔の記憶を急に思い出す。テレビで見た女装の場面。
笑って流したはずなのに、何年も残っている。
豊橋日中。昼の静かな部屋で、自分が女装したまま見下ろされている想像だけが消えない。
現実では真面目に暮らしてきた。だから余計に、誰にも言えないまま固まっている。
スクロールの手が止まる。こちらは、その止まり方を見ている。
未経験の人ほど、想像の中だけ丁寧だから。
無理に引き出さなくても、反応で分かる。
また今日も、開いて閉じて終わる。
昼の空気は穏やかで、最初は距離を取ろうとする。
でも、椅子に浅く座り直した瞬間だけ、急に従順になる人がいる。
そこで崩れる。やり取りだけでもいい。
そのまま閉じれば、また同じ記憶を抱えたままになる。