大阪南部の一軒家に引っ越して2年。
人との付き合いが苦手な俺は、
ご近所さんとは明るく挨拶する程度で、
それ以上の深入りはしないようにしていた。
ホルモンで膨らませた胸に合わせて、
下着女装しているのもその理由だった。
俺は40代。周りは60代以上の夫婦が多い。
ちょうど1年前の少し暑い日だった。
下着だけは裏の勝手口の横に干していた。
田舎の人はプライバシーとか関係ない。
ブラとショーツ、キャミ姿だった俺は、
インターホンが鳴っても出なかった。
そしたら、勝手口に向かう足音。
そっと覗くと町内会の班長さんだった。
翌日も来た、町会費の集金だった。
玄関を開けると、暑くなってきたなあ、
と言いながら中に入ってきた。
今年度分の町会費の集金やで。よろしゅー!
はい、400円のお釣りなあ。
そう言いながら俺の手を握り、
腕をぐっと引かれ抱き寄せられてしまった。
耳元で、昨日、見たで。
前から、あんたを見ててな、
胸元に膨らみがあるなと思っていたんや。
今も、してるんかあ?
俺は返事もできず、動けなかった。