もう10年程前の事。
毎月経営会議が本社で開催される。
緊急の場合や、新製品などのビジネスミーティング、賞与・昇給・人選等々、
多い付きは4~5回は本社に行く。
賞罰会議の時だった。
トイレに行く時は、出切るだけ人が入ってないのを確認してんら入る。
同僚に仮性包茎を見られたくないからだ。
やはり包茎は肩身が狭いが、同僚や友人でなければ見てもらいたい。
会議再開の直前にトイレに駆け込んだ。
ほとんどは休憩に入ると直ぐにみんなはトイレに行くので、再開前は人がいない。
トイレに入りチャックを下げ、一物を出す寸前に総務部長が入ってきた。
みっつあるトイレの端にわたしがいてたにも関わらず、真ん中のわたしの隣にきた。
チビで色黒のスケベそうな顔つきで、母親と二人暮らしの独身。
風俗好きのエロ親父、資産家だから好き勝手に独身を謳歌してると噂を聞いている。
『落仮性君、急は・・・の件か?組合しゃしゃり出てこなかったら即刻クビなんやけどな』
そう言いながらわたしの一物を覗き込んでくる。
話かけられた瞬間に皮を剥き包茎を偽装しようとしたが、その行為を全てみられた。
わたしの顔を見て、にたりと笑みを浮かべていた。
それからしばらくして、支店の臨点で総務部長がまわっていると連絡があった。
わたしの支店には、定時前にこられた。
『落仮性君、今日は終われるか?』
【まだ営業スタッフが帰ってきてないのでそれまでは】
『たまには部下に任せて早く終わらないと育たないぞ、今から飲みにいこか』
そんな会話を聞いていた部下が、自分が施錠しとくので終わってと余計な事を言った。
仕方なく部長と飲みに行く事となるが、二人だけは初めてである。
タクシーに乗り梅田に向かったが、異様にボディータッチしてくる。
話の合間に、相槌を打つかのように手や肩を軽く叩く。
激励などの意味で、フレンドリーに部下の肩を叩く事はあるが、その空間では異様だ。
梅田近くになると、太ももに手を乗せてくる事もあった。
会社ご用達や部長の行きつけの店でなく、ここでいいかと始めてらしい店に入った。
仕事の会話から始まったが、直ぐに話題はエロ系に誘導された。
夫婦間の性生活や、風欲に行くかとか浮気しているか、はたまたオナニーの話まで。
そして発展場で有名な堂山に行った事があるかと、男色の話題になってきた。
『俺も二年で定年やし、後は気楽やわ』
【部長奥さんおられないんですよね?結婚は一度も?】
『年老いた母親の面倒までみてくれる女もいてないし、結婚に興味ないからな』
母親はスーバー経営で、従兄弟が店をきりもりしているらしい。
退社後は、部長が引き継ぐというか、社長になるらしい。
【いいですね、定年後も安泰で】
出来るだけエロモードの話題をそらし話するが、うまく誘導される。
多分、同じ趣向と見破られているか、わたしの仮性包茎に興味があると察した。
事実、男根の話題ばかり後半はしだし、わたしの太ももから股間に手が伸びる。
【あっ部長だいぶ酔ってるんですか?ふらふらしてますよ】
カウンターに置いた手が滑ったようにして、わたしの股間に手を置いたのである。
『すまんすまん、ふらついてもうたわ、もう食う物ええか?』
【もういいですわ腹張ってきたので】
そしてカラオケに行こうと誘われたが、しつこい誘いを断り帰宅した。
あれは絶対に誘われていたな、絡んでもいいけど、万が一職場に趣向がばれるといけないから
慎重にしないと。
一部の本社での噂は、ホモじゃないかとの話もある。
間違いないが、乗っていればどうなったかとも考えた。
ある人に、目を見たらこっちの人やとわかると言われた事がある。
部長に見破られていたのだな。
来週は、ここ数回相手している彼に連絡して、ハメながらはめ外そう。