俺の仕事はいつもLINEが届くことから始まる。尺八屋として担ぎ出し、今はエージェントを気取るようになった男が、その独自のネットワークから顧客を見つけ出して、信用調査の末に良筋と認めた相手のみを俺に紹介する。俺の好みと相手の信用度や、病気などの健康状態などを調べた顧客は、今のところハズレはない。その点では俺は奴を信用している。俺は労せず新たなチンポをしゃぶり、金をもらう。尺八ごときでそれなりの金額なので、奴は中抜きをしていないのかも知れないが、なにかしらの利益を得ているのだろう。それでかまわない。俺が求めているのは、これで金を儲けて生活していることではない。昼間は普通に仕事をしているので、金を貰わなくとも問題はない。今回の顧客のプロフィールを確認する。27才、未婚で身長172体重68。中肉中背、だがこちらとしてはガリガリとか太っているとかよりも、一番肝心なのはチンポであって、見た目はあまり関係ない。ふんわり長い前髪と刈り上げ頭で今どき風のメガネ。少し遊び心を感じさせるスーツ。IT関係といったところか。約束は次の水曜日、19時に新宿副都心のホテルで会う事になっている。初回の相手は一発コースに限定している。デリみたいな時間制はではない。男は一度精を吐き出すと冷めるし、時間一杯まで楽しもうする相手が、すぐに回復する見込みのないチンポをダラダラとしゃぶらされるのは主義じゃないからだ。何度達しようとすぐに回復して、精を吐き出し続けるチンポならば、何度でもしゃぶってやってもいい。だから初回のよく知らない相手は出したら終わりと言う事にしている。イッタ後の様子で次回は回数を指定できるようにしている。それゆえ俺は回数で契約を結んでいる。前回の仕事からのインターバルは一週間ほど、そろそろしゃぶりたい頃合いだ。まあ期待せずに水曜日を待つことにしよう。水曜日。約束の時間の少し前に指定のホテルのラウンジに着く。いつもならフロントで客の部屋番号を案内され自分で部屋まで行くが、今日はラウンジで待つ。時間ぴったりに整髪料で頭をぴっちりと撫で付けたホテルマンが俺に声をかけてくる。「お客様をお待ちの方のお部屋までご案内します」なかなか趣向がきいているじゃないか。壮年のホテルマンの後につき、エレベーターに乗り込み辿りついたのは一般客は足を踏み入れることのできないエリアだった。ピンヒールでも足音を立てないであろう毛足の長い絨毯を踏みドアの前で一人になる。ノックすると密やかな解錠音がなりドアが開く。写真で見た顔が俺を迎えいれる。今日もカネのかかっていそうなスーツだ。「お待ちしてました。さあ、入ってください」男に招き入れられた部屋は広々としたスイートだった。窓からは副都心のネオンが望める。「さあさあ楽になさってください。ビールですか?ワイン?」若造のくせに手慣れた所作を。まあ、俺も人のことを言えるほどの年齢ではないが。「いいね、ビールをもらおうか」そして断りもせず電子タバコを吸う。電子タバコになって便利な点は相手に気を使わなくてもいい点だ。冷蔵庫から瓶とグラスを取り出されテーブルに置かれると、すぐさま手に取り開栓し注ぐ。人に酌をされるのもするのも嫌いだ。「済まないが俺の見てる前でシャワーを済ましてくれ。これはルールだ。あんたが先に浴びてようと関係はない」「わかってます、そういう約束ですからね。少しお待ちください」若い客は期待にはちきれそうになって、真っ裸で待っていたりもするのだが、コイツは余裕を見せることにこだわりがあるらしい。そうでなければこんな若い身分でこんな立派な部屋を用意しないだろう。それも男相手にだ。女の子を何人も金に物を言わして抱いてきたというのがわかる。タバコをふかしグラスを傾けながらシャワーの音を聞く。ガウンをまとった男が湯気とともに部屋に戻る。「早速はじめようか?好みの体位とかあるか?」俺は服も脱がない。このままの姿でする。中には俺が服を脱ぐことを求めてくる奴もいるが、それは契約として断っている。そして俺に触れることも禁止だ。興奮して俺のチンポをしゃぶりたがる奴も多いが、俺はゲイではなく、男にされる事自体が苦手だ。やることはこちらが一方的にしゃぶるだけだ。「そこのソファーの椅子に腰かけますから、足の間に跪いてもらえますか?」俺の客には珍しくエグゼクティブな尺八をご所望と見える。それでかまわない。俺が求めるのはただチンポをしゃぶることだけ、相手に与えるのは極上の尺八による快楽のみ。
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俺にもタイプはある。不潔な奴、我儘な奴、礼儀が全くない奴はNGだ。エージェントも言っており、それを承知しているからこそオファーの段階で選別している。それでも、時にそのフィルターを潜り抜け、質の悪い依頼者との対決に臨まなくてはならないときもある。待ち合わせは上野だった。指定されたホテルはひなびたビジネスホテル。場所がどこであろうと安全にしゃぶれるならかまわないが、事前に提示されたプロフィールと突きあわせると微妙にイメージと違い、不安がよぎる。もちろんエージェントを信用していて、彼の調査をクリアしたのだから、身元は間違いないのはわかっている。これは俺の勘に過ぎない。だが、その悪い予感は徐々に顔覗かせ、現実となる。指定された部屋のドアをノックする。ガチャと扉が開きまず漂ってきたのは酒の臭い。赤ら顔の男が充血した目で俺を舐めるように見る。顔の黒さに比べ腹と左手の白さが不自然だ。肌の黒さはゴルフと思われた。構わず部屋に入る。べたっとした和室にせんべい布団が敷いてある。枕元には吸い殻が貯まったスチールの灰皿といくつかの缶ビールの残骸。「待ちくたびれちゃったよ」男がもともとだらしなく緩んでぶらさがっていたネクタイを外しながら新しいタバコに火を点ける。酒を飲むのはかまわない。だが、このような客は往々にして勃ちにそれが影響する。俺はデリヘルではない。時間を切り売りしてるのではなく、しゃぶっていかせてナンボの商売。とはいえ俺の事情と客の事情は別だ。「シャワー、済ませてください」にべもなく言い、俺は電子タバコに吸う。「はいはい、規則ね」なんとなくだが擦りきれた畳に腰を下ろす気にはなれず、掛け布団がめくられてもいない布団に上がり込むのも気が引ける。立ったままタバコを吸い、男が風呂から出て来るのを待つ。首にバスタオルをひっかけた男が部屋に戻る。見た目通りの年相応に緩んだ身体。顔はどす黒く赤みが指している。酒とシャワーのせいだろう。「始めます、お好きな格好で」仁王立ちの俺ににべもなく言われた男は、「サバサバしてんねえ」といいながら布団をめくりあげ大の字に寝そべる。股ぐらの間にこれもまた赤黒い男のチンポがだらしなく垂れている。男の足の間に膝をつき右手でチンポをつまみ上げる。まったく芯が入っていない。……まあいい。たまにはフニャチンから、カチカチにさせるのもたまには悪くない。予告もせずに男の亀頭をクチにふくむ。「ほっ」男がひょっとこみたいにクチを尖らせる。クチに含んだ亀頭を中の舌でレロレロとねぶりまわす。フニャチンのままではストロークはできない。てっとりばやく芯を入れるために舌先でなぞるのではなく舌全体を使って揉みくちゃにする。くちゃくちゃと音を立てて舐めていく。徐々に男のチンポに芯が入ってくる。五分勃ちになる。そのまま亀頭のカリに唇をひっかけ「クポクポ」と舌で弾く。小刻みな「クポクポ」という音と共に、更に芯が入る。7分勃ちになる。こういう客はチンポから口を離すと萎える場合がある。裏筋舐めやチンポの根本ねぶりはやめておこう。できるだけ口で絞らず口の輪っかを維持したまま、舌でカリを入念に弾くように舐めていく。これをしばらく続けると、これはこれでたまらない。起ちが悪い相手は、激しくしゃぶるのではなく、優しくしゃぶるに限る。「こ、こういうの、お、お、お」だらしなく開いた男の口。執拗に舌で亀頭を弾く。やがて本勃ち。一度口から出すと確認すると目測で10cmほどのチンポだ。そのまま深めにくわえこむ。ズドンと一気に振り下ろされた頭とずるりとしたくわえ込みに男が喘ぐ。「おーきもちいおー」ゆっくりとストローク。「おーおーおーおーおー」唇のすぼめ方を狭くして更にストローク。こういう客は雰囲気を異常に大切にしがちだ。わざと涎を絡ませて「くちゃくちゃ」と音をたててやる。出だし鈍かった男のチンポも完全に芯が入り、長さの割にはずんぐりとした量感を俺のクチに押し広げる。長さのわりにぼってりとしたチンポだ。こういうチンポは前立腺やGスポットを攻めやすいから、セックスには自信があるタイプかもしれない。残念ながらしゃぶることにはそれは通用しない。更に唇にちからを込めきつめのストローク。
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