高校生です。自分自身はゲイなのかわかりませんが、体験と言うかそういうことがあってここに書くことにしました。
中学2年の頃の事です。当時僕は声変わりがまだで、背は他の奴と同じくらいなのに声だけが女子みたいで、授業とかで話す度いつも笑われたりからかわれたりしてすごくコンプレックスでした。
その上理科部で眼鏡、色が白く前髪が長く絵に書いた様な陰気キャラでパシられたり
当時チャリ通でいつも自転車で学校に行ってたのですが、雪国なので冬場はバスで通っていました。行きは良いのですが田舎なのでバスが一日数本しかなく遅くなった日は寒さに耐えながら体育館前の柱に寄りかかって待っていました。
ある日、玄関から出て体育館前に行く途中で柔道部の集団がいるのを発見しました。僕をからかっていたクラスのリーダー的存在もそこにいたので、なるべく早く通り過ぎようと急ぎ足で向かいました。
その途中、柔道部の上級生と目が合いびびりながらもそそくさと待ち場所に向かいました。
そしてしばらく待っていると、さっきの目が合った上級生がこっちに向かってきます。ちょっと気まずさを感じながら、僕はマフラーで顔を隠しながら下を向いていました。特に何か言われるでもなく、そのまま通りすぎていったのですが、僕は内心大分ひやひやしていました。
しかし、上級生は僕の前を何回も行き来し、ずっとキョロキョロしていました。流石に少し心配になり、「大丈夫か」と声をかけました。すると上級生はびっくりしたように体を揺らしたあと、「なんでもないけど」と言いまたどこかへ行ってしまいました。
しかしそのあと、また何度も来たのでやっぱり気になり「何か困ってますか?」と恐る恐る声をかけました。
すると相手はまた動揺しつつも、「ちょっと来てほしい」と体育館入り口の方へ僕を連れていきました。
それからトイレの個室に入らされ、そこで突然抱きしめられました。最初は「もっと近づけ」と言われたので困惑しながら相手の胸に顔を近づけたのですが、背中に腕を回されてやっと自分の陥っている変な状況に気づきました。
それから相手に「一目惚れした」と言われ、無理矢理キスをされました。僕は混乱して、どうすればいいかわかりませんでした。相手の舌が自分の口に当たったときの生暖かさに怖くなって、「ごめんなさいごめんなさい」と連呼しながら、全力疾走で逃げました。
相手は幸い追って来なかったのですが、僕はこわくて、ちょっと泣きました。そのあと友達の一人と会い、驚かれながらどうしたと聞かれても何も言うことが出来ませんでした。
それからその上級生に校内で何度も会うことはありましたが、目を合わすだけで特に何か起こることはありませんでした。
そしてあっという間に時は過ぎて、卒業式になりました。そこではじめて先輩の名前を知りました。何回も目を合わす内、先輩に対する怖さや恐れがいつの間にか無くなっていました。
そうして最後の別れ。うちの中学では校門まで在校生が道の両脇に立ち卒業生を見送る風習があります。沢山の卒業生が通る中、あの先輩が居ました。
僕は何か伝えたくて、ですが陰キャラの僕には何も出来ず、黙って先輩を見つめるだけでした。
もう会うことも無いのかなと諦めかけ僕は暫くうつ向きました。そして顔を上げると…先輩がこちらを見ていました。
僕を暫く見つめて、それから何か口を動かし行ってしまいました。僕には、「ごめん」と見えました。都合良い解釈かもしれませんが、その時の僕はそう思ってまたちょっと泣きそうになりました。
涙をこらえて見送った後、玄関へ戻ると自分の下駄箱の中に制服のボタンが入っていました。そこで我慢してた涙が溢れて、またちょっと泣いてしまいました。クラスの皆には驚かれたりからかわれたけれど、それでも涙は止まりませんでした。
あれから先輩とは会っていません。高校も変わり、もう会うことは無いのかな、と思っています。でも時々考えてしまいます。あの時もしも僕が逃げなかったら、そのまま最後までいったなら、どうなっていたんだろうと。
それから坊主でガタイのいい人を見ると胸が苦しくなります。ドキドキしてそろそろ尻の方へ手が伸びそうです。
大学生になったら、そういう店に行ってみたいと考えてます。先輩が何処かにいるかもしれないって、根拠の無い期待をしながら。