ゲイ体験告白

また長くてすみません。

初めて映画館に行ったのは学生の時でした。当時はネットも
なくてたまたま聞いていた深夜ラジオで上野にそういう映画
館がある、というのを面白半分に紹介していたのを聞いて覚
えていたのです。その時は同性には興味はなく、でももしか
してそこでしてもらえれば風俗行くより安いんじゃないか、
目を閉じてれば分からないんじゃないか、そんな気持ちで行っ
てみたのでした。

もう潰れてしまいましたが、不忍野池のそばで階段を上がっ
ていくところでした。階段を上がるだけでも周囲から「あい
つはゲイだな」と見られるのではとこそこそしながら入り、
お金を払って中に入ったのですが、日曜の昼だからなのか閑
散としていて、こんなところで何かあるのだろうか？と不思
議に思いました。

当時の私には1800円も高かったので、何も起こりそうにない
ことにがっかりしつつも、とにかく映画を見て異世界体験を
していこうと思い、適当な席に座りました。薔薇族映画とい
うことで男性同士の絡みを上映していましたが、ノンケの私
はなにも興奮しません。興奮しないからやっぱり自分はノー
マルなんだな、と思いながら、ストーリーを追うことに集中
していたら、左隣に男性が座っていました。

当時の私からするとかなり年配でしたが、4,50代くらいだっ
た気がします。メガネの実直なサラリーマンのおじさんとい
う感じでした。うっかり映画に集中していて座ってくるのに
気づかなかったのですが、気にせず映画を見ていると、おじ
さんの右手の甲が少し足に当たるのを感じました。

今は知っていますが、当時はこれがモーションだと知らなく
て、何だこの人だらしないな、触ってくるなよ、などと思っ
ていたのです。が、その人はゆっくりゆっくり、気づかない
ほどの微妙さで触っていて、あれっと気づいたときは手は裏
返って手のひらで私の太ももをするすると触っていました。
何も知らなかった私も、ようやく「あっ、これ痴漢だ」と気
づきました。

痴漢を期待して入ったのに、いざされてみるとパニックです。
拒否はしないけどどうしていいのかわからない……固まって
る私をOKと思ったのか、太ももをなでるおじさんの手が、こ
こからもっとしっかりした感じになり、太ももの内側まです
べりこんできました。怖くておじさんの方も、自分の下半身
がどうなっているかも見られません。でもジーンズ越しに太
ももを触られるだけでもものすごく気持ちよく、何より他人
に身体を触られていること、そのことに自分が興奮している
という事実に舞い上がって、されるがまま頭も真っ白になっ
ていました。

手が少しずつ上がってきて私のおちんぽにたどり着いたとき
は、もうジーンズがきついくらいに勃起していたのですが、
いったん手が離れてからおじさんは持っていたコートを広げ、
私とおじさんの間にかぶせてきました。隠されてからは、お
じさんの手はむしろちょっと乱暴になって、焦るようにジー
ンズのボタンをはずし始めたのです。

風呂場やプール以外で、他人の前で服を脱ぐなどなかったの
に、今自分は映画館で痴漢され、おちんぽをだされようとし
てる。直におちんぽを触られちゃう……そう思うと怖い反面
興奮が最高潮に達していました。これまで性欲なんて肉体の
開館にすぎないと思っていましたが、心の興奮がもたらす快
楽のほうが何倍もすごい、と思ったのはこれが初めてでした。

ジーンズのファスナーをおろしたおじさんの手が私のお腹を
撫でまわし、パンツの上からおチンポをさすってきます。頭
真っ白になりながらも少し大胆になってきた私は、自分で少
し腰を浮かせました。それに合わせておじさんがズボンを下
ろしにかかります。少しおろして触りやすくなったところで、
いよいよパンツの中に手が滑りこんできました。

情けないのですが、腰を浮かせて「自分から相手を誘う行動
までしてしまった」ことに私はさらに興奮していました。お
じさんの手がおちんぽに触れた瞬間、もう射精してしまいま
した。下着を汚さないように脱いでから、なんて我慢はでき
ず、本当に触ったとたんにいってしまったので、おじさんは
驚いているようでした。

私は私で、ほとんど触れてもいないのにいってしまったこと
が初めてで、その気持ちよさで動くことができません。身体
がビクビクしながら、止まらない射精を終えるまでどうする
こともできませんでした。

射精の快感が少しずつおさまってくると同時に、どうしよう
という焦りが襲ってきました。コートの下とはいえ、おじさ
んの手も汚してしまったし、下着もべっとり汚れただろうし。
そもそもこの状況をこの後どうしたら……おじさんがそこで
話しかけてきました。「気持ちよかった？今拭くからね」と
言うと、硬直している私はそのままに、左手でティッシュを
取り出し私の体を拭いてくれました。コートの下で分かりま
せんが、かなり大量に出ていたようで、数度に渡って拭いて
くれ、そのころには私もだいぶ冷静さを取り戻していました。

この後どうしよう。恥ずかしくて居づらいし、黙って逃げる
のもなんか悪いし、まだちょっと怖いしと思っていると、お
じさんから「ちょっとあっちでコーヒー飲もうよ。おいで」
と声をかけられ、ともかくついていきました。映画館の奥に
自販機スペースがあって、そこで缶コーヒーをくれ、あれこ
れと聞かれました。こういうところ初めてなの？男が好きな
の？仕事は？などなど。

今思えばおじさんなりに緊張をほぐそうとしててくれたのか
もですが、射精してしまった私はもう普段の自分に戻ってい
たので、見ず知らずのおじさんと話なんかしたくないし、恥
ずかしいからただ立ち去りたいだけでした。が、失礼をして
怒らせたら怖いし、気持ちよくしてもらってそれもなんだか
悪いしで、何も話せないままコクコクとうなずいてコーヒー
を飲んでいました。

数分して「また逢えたらおじさんと遊んでね」と言われてお
じさんは立ち去り、私も逃げるように映画館を出ました。そ
の後しばらくは、ゲイの世界に片足突っ込んだことを後悔し
たのですが、数か月すると思い出して行ってみたくなり、ま
た「オナニーするだけだから、それを他人の手を借りるだけ
のことだから」と自分に言い聞かせて映画館に行ってしまう
のでした。

この時のおじさんとはその後会うことはありませんでしたが、
行くたびに誰かしら男性が私を痴漢してくれるのでした。私
もだんだんと慣れてきて、そこでは座席で意思の確認をした
あと、トイレでするのが流れなのだと分かってきました。

映画館では口をききませんが、おじさまたちはトイレにこも
るといろいろと話しかけてくれました。「若いね」「すごい
チンポ持ってるね」「いっぱい気持ちよくなるんだよ」「女
の子になって」など、いろんなことを言われ興奮するように
なりました。そうやって、自分が言葉で感じてしまうことや、
女として求められることに快感を覚えることがだんだんと自
分で分かってきました。それからはAVを見ていても、どこか
女優の気持ちになっている自分がいることに気づき、だめだ
と思いながらもまた数か月経つと我慢できなくて映画館へ、
という生活になっていきました。

風俗などにも行ったことはありましたが、どのおじさまもフェ
ラが上手で、風俗に行くのが馬鹿らしくなるようでした。そ
れに、アナルも舐めてもらえます。一度そうされて感じてし
まってからは、それが欲しくて自分からおねだりするまでに
なりました。トイレでは皆さん大胆で、私の服を完全に全部
脱がせてから足を開かせ、丸見えになったアナルを本当にお
いしそうに吸い上げてくれるのでした。そうして10分近くも
女としての快感を味わわせてもらった後で、おちんぽも咥え
こまれ、そのまま射精してしまったこともありました。

そのころからネットが普通に見られるようになり、そういっ
た体験談など見ては「他にこんな場所ないかな」と探すよう
になりました。「ハッテン場」という言葉もその時に知り、
自分の行く映画館以外にも500円で行ける安いところがあっ
て、そこの方がものすごく激しいとか、公園などでもそうい
う場所があるということが分かってきました。ネットではな
かなか場所が分からないのですが、だんだんと見当がついて
きて、今度はその安い映画館に行ってみたい、と思うように
なりました。もう、後戻りしないとという気持ちはほとんど
なくなっていました。