俺はたいした事ないけどバンドのボーカルをしていた。
ライブハウスでもちょこちょことライブをしていた時にファンみたいなコ達が数人ついた。その中に真っ黒なゴスロリ系の小さなコがいた。あまり顔を見た事なかったけどカワイイ感じがしてて気にはなっていた。
俺らのバンドはギターのヤツの親戚が持ってる倉庫兼事務所みたいな所を借りてやっていた。
そこによくファンのコ達はさし入れを持ってよく来てくれてたけどゴスのコは来てくれた事はなかった。
ある日のライブ終わりにそのゴスのコがライブハウスを出ていくのを見付けた。
俺は後を追い掛けて声をかけた「いつも来てくれてるよね。ありがとう」声をかけても顔を上げようとも何か言うともなく黙ったまま動かない。「俺の歌を聴きに来てくれてたんじゃないんだ」がっかりしながらそう言うと首をブンブンと振った。「ファンです」消え入りそうな小さな声で言った。その後は俺が一方的に喋ってバンドの練習をしている所に連れ込んだ。その日は打ち上げで誰も来ないのが解ってて……
部屋に入ると冷蔵庫から飲み物を出して奨めて俺も飲んだ。色々話しをしているとそのコは女装してるだけで自分は男だと言った。顔をマジマジ見てもカワイイ顔をしている女の子だった。