学校卒業して就職した会社は横浜だった。独身者向けアパートへの道すがらには
歓楽街があって、性欲旺盛な二十代にとってはどうにも我慢できない誘惑で満ち
ていた。仲間内ではセックスするなら西口トルコか富士トルコが
手軽でいいと言われていた時代だ。ソープと呼び名が変わったのはそれからすぐの
ことだから時代がわかる人にはわかるだろう。結婚するまでは童貞を保つべきとい
う田舎の風習?に従ってそういうところは避けて、本番無しのピンサロにもっぱら
通うようになった。確かに性器を交えることはない安心感があったが口でくわえられ
ての射精のとりこになった。ピンサロもところによっては本番ありというところもあ
るようだったが、絶対に安全なのはロンドンだといわれロンドンばかりに
通うようになった。ナツキちゃんという30前後のちょっと年増のホステス
さんと故郷が近いことがわかって性器をじかにさわらせてくれるようになって、
触り方が優しくて上手だからとおだてられ、毎度ナツキちゃんは股間をぐしょぐしょに
して「本当に気持ちいいとこんなになっちゃうの。」とどうも演技だけじゃなくて本当
に絶頂してしまってるんだとわかったのはそれからしばらくしてだった。
そしてその日がきた。ぐしょぐしょになってから僕へのサービスが始まった。
ズボンを下ろされ、シャツをまくり上げられ、口でくわえられというところまでは
いつも通りだったが、「このヌルヌルが乾く前なら大丈夫ね。」と自分に言い聞かせる
ように言うと僕をまたぐようにしてペニスに自らをこすりつけながら
いった。「本当に本当はいけないんだけど、今日はダメ。わたしがガマンできないの。
入れるわね。ね、いいでしょ?」
逆らえなかった。こうして、守り続けてきた童貞はあっけなくナツキさんによって強制
卒業させられてしまった。