禁断の木の実

いつかは◎◎◎も本当のカレシをを見つけて俺の元から離れて行くんだろうね。
それはそれでいい。何れにしても俺にとっては姪っ子の幸せが一番だから。
あとは妹と、妹が産んでくれる俺の子供を幸せにすれば俺の仕事は終わりだ。
この国で兄妹の婚姻は許されない以上、生まれてくる子は妹の私生児とするしかない。世間的にもね。どんなに二人が深く愛し合って、その結果として生まれてきた子供であっても決して社会は認めてはくれないだろうからね。
そう言う意味では俺はもちろんだけど、妹も同じ荷を背負って生きていくことになる。
そしてまた、もちろん俺たちにはその覚悟はある。だけど、生まれてくる子供にもそんな荷を背負わせることはできないから、この先は二人で、いや、名っ子共々社会には嘘を突き通して行かなければならないと思う。
慎重に……慎重を重ねながらね。

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