「幻滅したでしょ?」話し終わって髪をブラッシングしながら背中向きで寂しく笑いながら妹が言いました。
涙が溢れました。
俺が看板屋の社長の母ちゃんと楽しんでるときに、首になったあと不幸を気取ってバイト三昧の生活をしていたときに。そして今の職場で役職をもらって浮かれている間に、妹は胃液を吐きながら地獄の日々を送っていたのだと思うと涙が止まりませんでした。
後ろから小さな背中を抱き締めると妹が笑います。
「またなくぅ、にいちゃんが泣くことないだろう」と、
「ゴメンな……俺、……おれ」言葉が出ませんでした。
「謝んないでよ、アレもコレもぜーんぶにいちゃんが終わらせてくれたじゃない」と、
そして妹も涙声になりながら
「これから、、たっくさん幸せにしてくれるんでしょ?、、ね?」と。
この妹を、そして◎◎◎を、俺は残りの人生の全てを費やしてでも幸せにする義務があるのだと、その細く華奢な背中を抱き締めながら思っていました。
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