たまに読み返してみるとさ、初めのうちは色々と気遣ってるのに後の方になるとポロポロとまずい事を書いちまってんなと思った。
書いてるおらはいいとしても第三者にはもっとブラインドをかけて書かないとな。
まあ名前とかはみな仮名だからいいけどさ。
じゃあそろそろ母ちゃんと、じゃねえな奈美と初めてやった話でもすっかな。
平たく言えば奈美と俺はデキ婚なんだわ。
奈美、その時16だ。
奈美のばかでかい家の応接間で陽に焼けて擦りきれた畳に額を擦り付けて土下座をした親父の姿は今でも忘れられないな。
座布団を外して「どうか奈美ちゃんをこのセガレの嫁にもらう訳にはいくまいか」そう言う親父の前であぐらをかいて項垂れた奈美の父親は無言だった。
長い時間がたったが親父も頭を上げず今の義父も項垂れたままだった。
そして母親の陰に隠れるように小さくなっている妊婦の娘にポツリと言った。
「奈美、……オメはどうすんだ」と。
奈美が肩をビクッとさせて俺の顔をチョッとだけ見たけど何も言えずに黙ったままだ。
その時に俺に見せた奈美の目が俺を押したのさ。
親父の横で正座をしていた俺も親父と同じ様に両手をついて土下座をしていたさ。
「どうか……奈美さんをおらの嫁さください……この命、失くすまできっと大事にします……お願いいたします」
と、
すると母親が意外な事を言ったんだわ。
娘に一言、
「ほれ、オメも匠君の隣でとっちゃに頭をさげれ」と、
奈美がうんと頷くと立って俺の横に正座すると両手をついて父親に頭を下げたのさ。
すっと父親が俺に「匠君、今の言葉、忘れんでないよ」と言うとあぐらを外し正座をして両手を畳につくと
「不束ものですが、娘をよろしくお願いします」そう言って頭を下げてくれたもんさ。
その時まだ奈美は15だった。
だからすぐには結婚はできなかったけど奈美が16になるのを待って籍をいれた。披露宴は盛大に行ったが白無垢の奈美のお腹はパンパンでな、帯も巻けないほどだったよな。
久しぶりに奈美とやってその義父との約束を破ってる事に気づいたよ。
もっと抱いてやって可愛がってやらねばってさ。
あー、初めてやった話を余談で忘れちまったさ。また次に書くわな。
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