できれば、避けて通りたかった問題です。
なんだかんだ言っても姉であり、私は彼女の弟ですから。
小さな頃に姉は泣き虫で弱っちかった私をいつも守ってくれていました。
私を苛めようとした奴の仲間が「そいつの姉ちゃんここええからやめとけよ」と言って助かったこともあります。
何か……大事な出来事を俺は忘れてる?
思い出せないんですよね、
違うのかなあ……
妻に恐々に訪ねては見ましたよ。
でも、謎は深まるばかりで全然わからない。
「こないだの話だけどさ、……」
そう切り出して沙絵の口から私とのセックスの話が何か出たのかと尋ねました。
「沙絵は純を怖がってたの」と言うんです。
あのオトコ女が私を怖がる???
不思議そうな思いが顔に出たらしく妻が吹き出します。
「ホントに嘘がつけないよねぇ~、じゅんくんって」
ゲラゲラ笑います。
笑いが収まると急にマジな顔になって話してくれました。
(以下、そのままで、できるだけ正確に書いてみますね)
「沙絵にね?何で男の子がダメなの?」って聞いてみたと、
「だってさ、沙絵って結構美人だし、カッコいいし、男の子にも人気があったんだよ?不思議じゃん?」
(なるほど)
「そしたらね?おかしな事を言ったんだ」
「おかしなことって?」私がますます不思議そうに尋ねると
「私が……怖いのは純だよって、純がオトコだから、男が全部純に見えるんだって。だから嫌なんだって……」
「は???……え???」でした。
妻が逆に聞いてきました。
「だからさ、沙絵と純くんって、たとえばさ、小さい頃になんかあったんじゃない?……沙絵になんかしたとかさ」
(、ったく覚えがない……そんな恐いことするはずがない)
わかんないよ、オヤジ連中が怖いと言うなら分かるよ。あの腐れ義父にされただろう事を思えばさ、でも弟の俺は何もしてないし、なぜ俺をこわがる?意味がわからない。ゲセナイっ!
と、そんな顔だったんだねパパは。
そしたらね千佐子が頬杖をついて少し考えたあと、またわからないことを言ったのよ、
「もしかしたら……だけど、……もしかしたら、なんだよ?違うかも知れないから、あまり真剣にきかないでよ、」
「うん……わかった、で?」
「イメージだけなんだけどさ、……前から思ってた。……沙絵と、するでしょ?」
「うん」
「その度に、沙絵は純くんなんだって…………これ、わかる?」
「……ぜんっ、ぜんわからん」
「だから、私が沙絵でさぁ、沙絵は純くんだったの、わかってよ」困ったような顔で言うんです。
なぞかけか?とさえ思いました。
あまりにも俺が鈍感で理解ができないと知って、それまでは避けていたと思われる具体的な話をしてくれました。
「沙絵のエッチって、男の子が女の子にするエッチのようにするの」
「はぁ、」
「私にね?……んと、私のなかにね?指を入れて激しくかき回しながら、お前、ほんとは男にやられたいんだろって、何度も、いつも苛めるのよね」
「……」
「時には、何かを入れられたりしながら、チーは男にやられたいんだろっ!言えっ!って、」
「う、ゎ、なんだそれ……」
「でね?ある時、言ったんだよね……」
「なんて?」
「ずっと犯されたかったんだろっ!……て、俺はしってんだぞ!って」
「……、……」
「その時ね?私、なんだか、沙絵が純みたいに思えてさ、沙絵はほんとは純くんに無理やりされたいんじゃないかって感じたのよね……弟の純へのレイプ願望みたいな?……」
「んー……、、んー、、」頭を抱えました。
そんな私の背中を擦ってくれながら千佐子が気遣ってくれました。
「だから、もしかしたらって話だよ、……だからこないだ一回沙絵を抱いてあげたらハッキリするなぁと思って言ってみただけ」
(だけってさ、それって大変なことだぞ)
「でも、純くんにその気が無いみたいだしさ、無理に確かめる必要もないから、キンシン何とかになっちゃうしねそれって」と笑いました。
沙絵は本当に私達の出生の事を秘密にしてたんだと知りました。
私も千佐子に話すつもりはありません。
あまりにも重い……重すぎる話です。
聞かされても、たぶん千佐子には理解が出来ないんじゃないかな、
話してもらったって辛いだけで千佐子にはどうするこも出来ない話だと思うんですよね。
「気持ちが悪い」って、恐がられるかも知れないから……
そう思われたくないから、言えない。
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