色々な方面から様ざまな邪魔がはいってなかなか自由に実優と千◯子と遊ばせてもらえません。
「ほっといてくれ」と言いたい所ですが、そうもね……、
特に姉に関してはかなり深いところまで食い込んでくるので気がかりな相手と言えます。
そういえば昨夜私に抱かれながら千◯子がおかしな事を言うんです。
「沙絵、たぶんだけど、純が好きなんじゃない?」
あり得ない、と否定してその根拠を尋ねました。
そりゃあ、血の繋がった姉弟だからと、
「んー、そーじゃなくって、……女として、」と言います。
「純、沙絵のことSだと思ってるでしょ」と言います。
「だろ?ちがう?」と聞くと
「違うと思うよ? どちらかと言えばMに近いと思う」
わからないっ! 解せないっ! あの暴力女のどこがマゾなのか意味がわからない。
私の顔から不可解さを感じとって笑いだすと
「あのね?……純は勘違いしてるよ?」と言います。
「何を?」
「沙絵が欲しいのは私じゃないんだと思うよ」
「はぁ?」ますますわからない。(姫がいればなあ……)
「沙絵が求めてるのは純……あなたなのよ?」と、とんでもない事を言うんです。
「はあああっ?」この子は何を言い出すのかと驚きました。
千◯子が私があまりにも本気で驚くので笑いだしました。
千◯子の言うには、沙絵は男性に対しての嫌悪感を根深く持っていて、でも性的な快楽への欲求も強くもっている。だから女の子にその欲求を向けてしまった。
なぜ男がそんなに嫌いになったのかは解らないが、男からのセックスを拒否している。
「でもね?」と、続けます。
「沙絵が暴力的で男のように振る舞って、女の子を組み強いているのはね?あれは、本当は相手の子に自分を重ねているんだと思うよ……そして、暴力的な沙絵は、実は……純くんなんだと思うんだよね」
何度もビデオを見返してこの妻の言葉を聞いて、理解しようとしたけど、やっぱりわからない。
ただ、妻の言った言葉の中で
「純と沙絵ってさ、昔、なんかあった?……なんか、聞かれたくないような事?」
沙絵も、千◯子に何も話してないらしかった。
私達の出生の秘密……沙絵が義父の子を妊娠したこと。
そして多分、知っている私と母の淫猥な関係……
私も他人に話したのは、姫が初めてです。
それだって、ずいぶん後に姫に絶大な信頼を置いてから、姫の助言を聞くために必要だと思ったから話した。
だからこの世でいまそれらの事を知ってるのは、母と沙絵、そして私と姫の四人だけです。
大本の当事者である母の実の兄は既に亡くなっています。
「私はわたし、私の人生を歩こう」と思ってきました。 でも、この連鎖の血は……止められないのかも知れません。
もしかしたらもっとずっと遡って、家系を調べれば、どこかに起源が見つかるのかも知れない。
いやいや、そんなことより今!
NOWです。
妻の言葉にあまりにもショックを受けて昨夜は全てを否定してしまいましたが、眠れずに未明にビデオを再生して考えて見ました。
でも、
姫なら何らかの答を見つけてくれるのだろうか……
ひまり姫……君はどこだ、
どこにいるのですか……
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