姫の推察はことごとく……
「ホントにオヤジさんとやってるビデオ撮ってくれるのか?」念押ししました。
「いいよ?……でも…」
「俺と優美のも、だろ?」確認しました。
「ん、なんかさ、どっちも興奮するよね」クスクス笑います。
「沙絵の時みたいに(証拠撮り)不安じゃねえの?」と聞いてみました。
するとついに魔女が本性を現したんです。
「瑠奈、妊娠してなかったって……よかったよねー」と突然瑠奈の話を始めました。
「ん、そうか、よかったな」と答えると私を横眼で見上げるように言ったんです。
「もし妊娠騒ぎになったらさあ、親とか出てきて色々と純くんとのこともさあ~……ヤバかったからね~」
ちょっと鳥肌が立ちました。
「ん、そうだな」と返すと
「でも、結構あの子、私の言うことは聞いてくれると思うけどね」と意味深な目を向けてきました。
確かに北海道旅行の時に汚れたパンツを俺がいかがわしい事に使うと知りながら千佐子に手渡したりできるほど瑠奈は千佐子のネコとして短期間で調教されてましたから。
そして千佐子の命令で俺を巧みに誘惑して初体験を受けた……
おそらく今でも千佐子とは連絡を取り合っていてコントロールされてるんだと思います。
千佐子が言いたいのはきっとオヤジとのビデオを何かに使うなら「ルナニジュンクントノエッチヲコクハツサセル」という「ブラフ」なんだと思います。
でも、千佐子は大事な事を忘れてます。
千佐子とオヤジの近親相姦、それも始めた経歴が表立ったらオヤジの未来も、過去の経歴も全てが失われる、いや、千佐子の実家そのものが消滅しかねない事態に陥るってことを。
ましてやそれが明るみに出れば当然実の娘を妊娠させて共謀して私を騙し、育てさせようとした。
カッコウの「託卵」じゃあるまいし、そんな事が許される訳がない。
そのリスクを知りながら裁判で争う気概なんてあるはずがない。
所詮むこうだってただの変質者に過ぎないんだから……
そうはしたくない只ひとつの理由は何の罪もない無関係の優美の未来をボロボロにしてしまうだろうという事だけです。
自分の変態行為で産まれてきてしまった自分の不幸な娘の一生を奪うことがあのオヤジにできるはずがない。
千佐子にしても愛する娘と父親を地獄に突き落とす勇気は絶対にないはずです。
「じゃあさ……お前とパパとのしてるとこを本当に見せてくれたら優美と俺のも撮って見せるよ」と答えました。
私に潤んだ目を向けると抱きついて
「じゅんくんってマジでヘンタイね……パパとちさこがしてるとこを見たいなんて……そんなの見て本当にだいじょうぶなの?」笑いました。
唇を吸い終わると
「お前こそ優美の悶える姿を見て驚くなよ」と返しました。
「だいじょうぶ、私の子だもん……想像がついてるから」と言うんです。そして
「二人とも気づいてないみたいだけどさ、エッチしたあとの優美の体も部屋もハンパなく臭ってるんだからね」とも、
魔女は全て最初から気がついていたんだそうです。
何にしても約束はとりつけましたよ。
あとはいつにするか、だけです。
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