知りたくない気持ちもあって千佐子には確かめることができなかったチキンな俺。
千佐子とオヤジのことはどんなに足掻いても長い事実があるからと諦めもあったけど……
姉ちゃんとオヤジの肉体関係はちょっと諦めがつかないです。
いや、それも確かめないとわからないんだけど、姫の推察が違ってる可能性だってあるわけで、
それも確かめないとわからない、でも知りたくない。
少なくとも今はダメです俺、耐えられそうもないです。
確かに、沙絵の口から千佐子の父親の話しは全く出てこないのは不自然だよね……
意図的に口を閉ざしているとしか思えない。
千佐子が父親の子を妊娠したと知ったときにも何故避妊しなかったとは言ったらしいけど、そもそもそういう問題じゃないよな。
自分の出生や虐待を思えば半狂乱でオヤジを責めてもおかしくないはず。
だって、自分の大事なパートナーだからね。
つまり姫の言うとおり、実は千佐子とオヤジの関係は沙絵にとっては驚くに値しない話だったと考えるのが自然なわけだ……
自分を作った父親が兄と妹での近親交配であっただけでもどんなに苦しんだかわからないのに、その父親からも生殖行為をされて、幸いに妊娠は免れていたのに父親が病死すると母親の再婚相手からも性虐待をうけて妊娠、そして中絶処理を受けた……
その時姉はまだ14だったんですよ
そんな地獄絵図に生きてきた姉が、千佐子の親父との話を聞かされて普通な精神状態でいられたはずがない。
あるとすればその親父を擁護する何らかの事情があった場合だけだ……と、言う姫の推察には重い説得力があってパパを押し潰しているんです。
近親姦は姫の言うとおり絶対のタブーだから、それゆえに一度足を踏み入れてしまったら、肉の喜びに加えてその麻薬にも似た精神的な背徳感が呼ぶ快楽から抜け出せない。
実は千佐子も、沙絵もその快楽を幼くして教え込まされてモンスターとなった。
互いに見ただけでそのお互いの性癖を敏感に感じとったんだと思います。
千佐子は先輩のレズパートナーと別れて沙絵に近づき、沙絵は大勢の女子ファンの中から千佐子に目をつけた、
そういう事なんだな……
もしかしたら、考えたくないけど、千佐子が元パートナーと別れられたのには父親の力も働いてるのかなとも勘ぐります。
職業的に力の行使は無くても存在は大きな威力を持っていただろうから。
沙絵にも同じことが言えます。
求められたら……足を開くしかなかった。
みんなどれも推測でしかないけど……しつこいけど今は確かめたくない。
それでも明日という日は来ます。
そのあと、確めるつもりです。
医者の薬がもう無いのでまたもらってこないと……
※元投稿はこちら >>