禁断の木の実

瑠奈から切ないLINEが届きます。

転校先の学校に馴染めない……
「ガキばっかりでマジムカツク」だそうです。
(ガキって……)
瑠奈は一応セックスの経験者で、レズの経験さえもある子だから同年代の地方の子達がガキに見えるのかも知れませんね。
「瑠奈は一人だけ大人になってしまってるんだね、でもそのうち皆も大人になってくるから」
大してアドバイスにならないような返事を書いてしまいました。
それでも「パパに聞いてもらうだけでいい」と、
可哀想な気がします。
「いつでも聞いてあげるから、がんばれ瑠奈」
励ます事しかできません。

沙絵から千佐子に１１日の約束の話が来てるとか、
「ずいぶん開けたのね」と千佐子が言います。
全く平然としたもんです。普通姉弟がセックスをするために会うって、そんなヤバい話をあんなにサラッと言えるもんですかね。
「制服プレイ、楽しそうね、じゅんくんらしい」と笑います。
「お前のはどうした？」千佐子の制服も実家に大事にとってあると聞いているので持ってこいと言ってありましたから。すると……
「あさって(金曜日)持ってきてくれるって言ってたから」と言うんです。
「明後日？平日だぞ」不思議に思って聞き返すと
「んー、休もうかなぁー、って」
「二人で来るの？」悪い予感
「どうかな、聞いてないけど、なんで？」洗濯物をたたみながら後ろ向きで聞きます。
「いや、……別に何でもねえけどさ」
オヤジ一人なら猛烈に怪しい。優美を保育園に預けて娘とオヤジ二人っきりなんて、しかも高校の制服？冗談じゃない。
「千佐子、ちょっと着てみろよ……」なんて事になりかねない。
「土曜にならないのか？」少しイラッとしたのを感じたのか
「土日は出掛けるんだって、いいじゃないあさってだって」
「ん、まあ……そっか、いいけどさ」
あまり嫌がるのも不自然だし何となく濁してしまいました。
まあ義父も６３歳、心配要らないかもしれないけど

考えすぎかも知れないけど注意するに越したことは無いから。
つか、そんなに話が煮詰まってるのにどうして黙ってるのかそこが気に入らねぇ。

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