体調は厳しそうだね。無理はしないでね。
「ママ、かわいいでしょ?」
玄関で飛び付いてダッコした優美がヒソヒソ耳打ちします。
パパが帰るともうすっかり10歳に化けた千佐子がキッチンから「おかえりなさーい」と声をかけました。
「ホントだね、今日のママは可愛いね」
私もヒソヒソと優美に返しました。
「ぱぱぁ、ママがかわいいとうれしい?」
生意気を言います。
「そりゃあ嬉しいよ、優美だってそうだろ?」
「ゆーみもママみたいのがほしいー」拗ねます。
千佐子がキッチンから笑いました。
「ゆうみー、パパはね何を着てても優美の方が可愛いんだってよ?」
優美が首に腕を回して抱きつくと
「ぱぱ、ほんと?」と機嫌を一気になおしました。
「ホントだよ?ママの10倍可愛いかな」
「じゆーばいって?」優美が体を起こして不思議そうに訊ねました。
食卓に夕食を運びながらふくれてみせます。
「ママがね10人いても優美の可愛さには勝てないんだって」
ママが不機嫌そうな顔をしたので心配した優美が私をなじります。
「ぱぱぁ、ママがかわいそうでしょ?」
千佐子が優美を抱き上げてお礼を言いました。
「ありがとー、ゆーみ、さあ、ご飯食べてお風呂に入って早く寝ないとね、明日はイルカさんに会いに行くんでしょ?」
何だか穏やかな家庭の光景です。
みんな優美のお陰ですね。
そんなことを書きながら優美を寝かせたあともう既に1回戦を済ませました。
いや、正確には千佐子を逝かせただけでパパはまだ出してません。
2回戦目が勝負です。
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