「レイプなんかじゃないみたい」
お隣から帰って来て第一声、
千佐子が言うには要するに欲求不満からアホ兄貴に軽く誘いをかけたら狂ったように押し倒されたんだと。
「軽くって?なにしたんだ」
「まあ、パンツを見せたみたいね」
「マジか……」
「幼なじみの家ににげこんでたんだけど、その家から連絡があってパパが連れ戻しに行ってる」
「石川から来てるんだろ?」
「んー、もしかしたら瑠奈はママとそっちに引っ越すかもね」
そんな状況のようです。
一志の従兄弟の家族も、田尻の家族も、田尻の新しいパートナーとなった子の家族も、そして瑠奈も……
千佐子と関わった家族はみんな消えていくんですね。
千佐子の小さな背中を魔物でも見るような思いで眺めていました。
次は我が身か……
そんな思いに駆られます。
瑠奈は……たぶん千佐子の策略です。
コンドームまで用意するなんて、明らかに瑠奈にセックスをしろと言ってるのと同じです。
手芸教室に優美を連れ出して瑠奈と俺を二人っきりにしてみたり、シチュエーションセックスで俺に「瑠奈」とフィニッシュに呼ばせてみたり……
汚臭フェチの俺に瑠奈の汚れたパンツを餌のように与えてみたり、明らかに瑠奈を抱かせるように仕組んでいたとしか思えない。
問題はその目的です。
ちょっとしばらく千佐子を抱く気にはならないかもしれない。
何だかすごくあの小さな体が恐く感じます。
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