迷ったあげくに沙絵にLINEしました。
「姉ちゃんは優美が誰の子か知ってるんだよな」と、
一時間くらいたってからこんな返事が来ました。
「もちろん知ってるよ、でも、今でも純を騙して優美を預けたことを後悔はしてない。純しか考えられなかった」
「優美は俺の子だよ、そうでなきゃ優美が可哀想過ぎる、この件に関してはもう決定事項だから蒸し返すな。」
「わかった、じゃあ本当の父親を知ってどうしたいの」
「優美は俺がパパだからいい、だけど千佐子と俺は夫婦だが他人の繋がりだ。わだかまりがあれば繋がりが切れる事だってある……それをなくしたい」
「ごめん純、どうしてもそれだけは姉ちゃんの口からは言えない」
「やっぱり、そんな重大な話なんだな」
「どうしても聞くなら、ちー本人に聞くしかないけど、その時はアイツをしっかり支えてやってほしい、そうでないときっとアイツは居なくなっちゃうよ……優美も危ない、たのむよ純」
「わかった、俺からこんな話があったことは千佐子には言わないでな、もう姉ちゃんには聞かないから忘れてくれ」
「言わない、大丈夫」
知らなくても生きては行ける、でも、優美の秘密を知ったからこそ今があります。
知って抱き締めて生きる事と、知らずに騙されて抱き締めて生きるのでは雲泥、天と地の違いです。
少なくてもパパには耐えられない。
だけどこの期に及んでバカだと思われてもいいです。
千佐子は失いたくない。
あれがたとえ魔女でも、モンスターでも、変質者でもパパにはどんな輝く宝物にも勝るパートナーなんです。
笑ってくれていいです。
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