最終回前の最後の分割です。
迷走中のものなので、スルーして下さっても構いません。
私の意見は、前回お伝えした通りですので。
この次が、本当に最後です。
とりあえず、続きをどうぞ。
その大きなベル音は、部屋中に響いた。
そこにいる全員の動きが止まった・・・ということはなく、止まったのは私だけだった。
沢木は更に腰を動かすスピードを上げ、母は快楽の渦中にいた。
父はむくりと起きると、すぐに異変に気づいた。
半裸で縛られている息子。
全裸で四つん這いで突かれて喘いでいる妻。
突いているのは、息子の友達。
夢から覚め、目の前の光景を受け入れにくかったのだろうか、寝ぼけ眼を擦りながらそれを見つめていた父に、沢木が声を掛けた。
「これはこれは、お目覚めですか、マヌケな旦那さん。あんたが寝ている間に奥さんは何度も絶頂を迎えていましたよ。あんたのチン○が役に立たないから代わりにこの俺様が抱いてやってる訳だ。どうだ有り難過ぎて地べたを這いつくばって拝みたくなったか。あっはっはっは」
沢木は腰の動きを止める事なく、父にそう言った。
驚いたのは、父だった。
「な、何やってるんだ? 君は! 」
睡眠から覚めたばかりとは思えない程、俊敏に状況を判断するや、父はベッドから跳ね起きると、沢木に飛びかかった。
我が父ながら最高に勇ましいと思った、が・・・。
結果は、私の時と同じだった。
沢木は母を抱いたまま体をかわすと、父の腹に強烈な蹴りをくらわせた。父はそのまま吹っ飛び、壁に激突し踞まった。口から黄色いものを吐いてしまった。
「ひゃあははは、愉快だ! こんなに素晴しい夜明けはないぜ! 」
気がつけば、母は苦悩の顔から快楽の顔になっていた。涎を垂らし、目はイキ、手は自らの乳首とクリを弄っていた。聞いたことのない奇声を上げ、数え切れないくらいの絶頂を繰り返していた。
自分が招いてしまった事が・・・。
こんな惨事になろうとは・・・。
自分を恨み、呪い、悔み、罵った。
目覚ましの大音量が、母の叫び声、父の呻き声、そして悪魔の笑い声を、掻き消していた。
私は、ただ下を向いて、涙を流していた。
後悔しても仕切れなかった。
一体何がどうしてこうなってしまったのか。
押入れに入って身を忍ばせている事を了承したこと?
酔いに任せ、沢木に母との情事について煽ってしまったこと?
沢木を泊まらせたこと?
母を看病に行かせたこと?
沢木と母を会わせてしまったこと?
記憶を辿っているうちに、頭の中に浮かんできたのは家族の思い出だった。
私たちは、家族三人で幸せな日々を送っていた。
楽しいこと、悲しいこと、嬉しいこと、辛いこと。
一緒に歓びを分かち合い、手を取り合って、支え合って生きてきた。
「アンっ! あ、アアアアアアア、いいの、いい・・・。ダ、らめ、また・・・」
「いいぜ、何度でもいきなよ・・・。気持ち良いだろうよ。息子に見られながらだと、尚更な、あっはっはっは! 」
母は今・・・、沢木と歓びを分かち合っている。
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