沢木の足は器用に母のあそこを愛撫し続け、母はその快楽に身を委ねながら沢木のモノを奉仕していた。
最早、母には沢木の言葉など耳に届いていない様に思われた。
目はトロンとし、鼻呼吸の為か鼻孔は膨れ、小さな口は大きなモノを咥えているので、馬鹿が馬鹿みたいにバカでかい食い物を頬張っているようで、その姿は滑稽だった。
加えて、沢木の足指愛撫は激しさを増し、クリトリスを摘まんだり弾いたりを繰り返し、終いには親指を母のあそこに入れてピストン運動をし始めた。
くちゅん、くちゅん。くちゅん、くちゅん、にちゃん、くちょん、にち、くちゅん、にち、にち、くちゅん、とだらしない音が静かな部屋に響いていた。
その都度母は、「ふぁん! ぶぅん・・・、うあん、・ぁん、ふぁ、あ・・・」とよがり声をあげていた。
「あんたの息子はさ・・・」
先程から私の事で、何を母に伝えようとしているのだろうか。
「あんたの乱れている姿が、見たくて見たくて堪らないんだぜ」
「! 」
母の表情が、一瞬だけ曇った。が、すぐに又奉仕活動を再開した。
「俺さ、あいつが何を求めいるのかが良く判らなかったんだ。話題がテメーの母親をやるやらない的な話から、『お前ん家、行っていい? 』って展開になってんのに、涼しい顔して『いいよ』だし。んで、時間も頃合いだし、そろそろテメーの母ちゃん抱いていいのかって言うと、『え本気で? 』とか言ってっし。ね、訳わかんないだろ。あいつ。・・・んでさ、思い出したんだ」
沢木が自らの口調に乗って喋り出した。彼はエンジンがかかると早口になるのだが、滑舌が良いので耳触りでは無かった。むしろ周りの人は、そのテンポの良さに聞き入ってしまうことがままあった。今は正にその『聞き入ってしまう状態』だった。
「エディプス・コンプレックスって知ってる? 」
母は聞こえているのかどうか判らないような表情で、黙々とおしゃぶりをしていた。
私はこの言葉の意味を知っていた。
まさかコイツ・・・。
嫌な予感がした。
心臓がドクンと脈打ってしまった。
沢木は、私の母に対する思いに気付いていたのか・・・。
母に知られたくはなかった。
頼むからこれ以上喋らないでくれ、という私の切なる思いは呆気なく裏切られた。
「ま、要は母親をテメーのモノにしたくてしたくて堪らないってやつさ。よくマザコンって言うけど、あれではない。性的な独占欲・・・、愛情って言えば聞こえはいいが、やりたさが強いかな。んーとにかく、あんたの息子はあんたをそういう目でみてるってこと」
動悸が激しくなって、息が荒くなってきた。自分自身気は付いていたが、改めて他人の口から言われると、とてもまともな感情ではいられなかった。穴があったら更に深い所まで掘って土を被せて生き埋めになった方がマシじゃないかって思えるほど居たたまれなかった。
「あいつが昔付き合っていたのって、知ってる? まあ、普通知らないか。そんなことわざわざ親に言ったりしないからね。二回生の時かな。結構地味目な子で、デブとかじゃないけど顔はお世辞にもいいとはいえない微妙な感じなんだけどね」
私の脳裏に、懐かしい思い出が蘇った。一人の女性との、甘く切なく透明感のある思い出。結局、私は彼女とセックスすることはなかった。何度かその手前までいったのだが、お互いそういう関係を望んではいなかった。肉体的でな快楽よりも精神的な安らぎを求めていた。だから、所謂『清い関係』のまま、その人とは別れたのだった。
でも、何でこいつが彼女を知っているんだろう。付き合っていたのは短い期間だったし、彼女とは学部が違っていたので学内で会うことは数える程しか無かったはず。大抵、私が一人住まいだった彼女のアパートへ行っていたので目撃される事も考えにくいのだが。
「実は俺そいつの処女をいただいちゃってさ。あはは、あんたの息子と別れた後だったんだけど、あいつってばその子に手を出してなかったんだよね。ああ、勿論最初は知らなかったよ、あんたの息子と付き合っていた事なんかさ。話しをしているうちにね・・・。だから処女だって聞いた時には冗談だと思ってさ、「またまた、じゃあマンコの匂い嗅がせてよ」って無知やりジーパン脱がせちゃったりしてね。いや、無理やりって言っても合意の上での『無理やり』だよ、俺ってほら、フェミニストだから。おばさんの時もそうだったじゃん。ま、それはいいんだけど・・・、何だっけ。そう、そうしたらホント処女特有の匂いっていうか、マンカスたっぷりつけた香ばしい匂いっつーか、おばさんはもう覚えていないだろうけど、あったでしょ? おばさんもさ。まだあげ初めし前髪の頃に。今は成熟して俺のチンポを入れて擦ってもらわないとおさまらないこのメス穴から、そんなスメルをプンプンと放出していた時期がさ。あははは。でもさ、俺という男がさ、何であんな地味な可愛くもない女を抱いたかっていうとさ・・・、覚えていないんだよねー。経緯っつうのが思い出せないんだよ。んー、ま、たぶんー、そのときー・・・、機嫌が悪かったんだろうね。あはは、んじゃなきゃ、あんなのさ、相手になんかしないかんね、普段は! て、見ていないから判んないよね、あんたの息子の彼女の顔なんて。あ、でも嫁に来ていたら大変だったよ。おばさんは綺麗なのに、孫は可愛くないっていう悲惨な結末になっていたかも。あはははは」
脳天を思い切り殴られたかのような衝撃を受けた。
彼女が、あの後沢木に抱かれていたなんて・・・。
自分の中の清らかな思い出が、音を出して崩れていくように感じた。
しかも、その彼女の容姿を馬鹿にする発言に怒りがおさまらなかった。
なに人の昔の彼女を馬鹿にしてんだ!
彼女は、お前が思っているような子じゃない。
そりゃ、確かに母と比べると・・・。
母と・・・。
比べる・・・?
忘れていた記憶が蘇ってきた。
いや、沢木の言う通りなのかもしれなかった。
自分の中で美化されてた思い出の『事実』がフラッシュバックしてきた。
その彼女とは、母の幻影を見ながら付き合っていたのかもしれなかった。大人しい子だったから、私がああして欲しい、こうして欲しいというこっちの勝手な女性像の強要を、出来得る限り叶えるために努力してくれていた。今思い返すとそんな健気な子だったような気がする。それなのに当時の私は、そんな積極性のない彼女を不服に感じていた。
その頃は従順な子と付き合いたかった訳じゃなかった。むしろ母のような快活な女性と付き合いたかったのだと思う。女性に奥手だったからせめて付き合っている彼女とは、いつも母と話しているようなテンポで会話がしたかったのだ。でも、その子は地味な見た目通り、おっとりとした、自分の意見を前面に出すことのない子だった。何を言っても『うん、うん』と頷くばかり。今になれば、そんな女性となんて願っても付き合えないのは解っているが、その時の私は、余りに幼稚だった。彼女に対し、理想の女性像、つまり、母親像を追い求め過ぎていたのだった。
一つ思い通りにならないと、他のことについても、だんだん気になり出していった。
倹約家というより貧乏くさいこと。服のセンスがダサいこと。空気を悪くするから友達にも紹介できないこと。顔が・・・、同じ名前なのにどうしてこうも顔のつくりが違うのか、『名は体を表す』という言葉はどこへ行ったのか・・・てこと。
自分の顔を棚に上げて「何でこいつと付き合ったのだろう」なんて真剣に思い悩んでしまっていた。
本当に今思い出すと、恥ずかしくて恥ずかしくて居たたまれなくなるような自分勝手な考えで、彼女の人生における大切な時間を台無しにしたのかもしれなかった。
こっちから告白して、あっちから別れを告げてきた。
「私たち、元の関係に戻った方がいいのかも・・・」
久しぶりにきた電話だった。
彼女は涙を堪えていた。こっちはもう熱が冷めていたから「そう」とだけ言った。彼女から「ごめんなさい」と小さな声で謝られた。謝らなければいけなかったのは私の方だったのに。
私なんかより、沢木の方が余程女性として扱ってくれるだろう。
そう考えると、こんな私に処女を捧げなくて良かったことが、せめてもの救いのようにも思えた。
いつのまにか怒りが消え、思い出は私の気持ちを暗くさせてしまった。
「つーか、そんな女だから、本当に忘れていたんだ。でもね、思い出しちゃったんだ。・・・何でだと思う? 」
やっぱり・・・。
というか、そうか・・・、そうだよな。
そりゃ知ってるよ・・・。
だから、沢木の野郎は彼女のことを・・・。
クソ、何だよ、コイツは・・・。
なんで何でも母さんに喋るんだよ・・・。
「ふふふ、実はね・・・、その子はね・・・、名前があんたと同じなんだ。あはははは。ねー、どうよこれ。どういう意味か判る? 」
予測はできていたことだが、ショックだった。
絶対母に知られたくなかった事実。
我が息子が自分と同じ名前の子と付き合って、自分を投影して疑似セックスを試みようとしていたなんて知った母親の心境は想像に堪えない。
息子にとって女性とのセックス、イコール母親とのセックスという図式。又は願望。
子を良識ある成人に育てるために、教育し、躾け、守っている母に対し、性的な感情を抱く故、唇を奪い、胸を弄り、尻を舐め、身体を抱き、嬲り、穴を貫きたいという欲望に犯されている息子。
母はどんな思いで、これを聞いているのか。
複雑な気持のまま、母を見た。
母は目を虚ろにし、喉の奥まで沢木のチンポを加えている最中だった。
聞こえているのだろうが、沢木の問いかけには無視の姿勢だった。
一定のリズムでフェラチオを繰り返す。
沢木の足の指に合わせて、腰も動かしている。
母は、悲しくないのだろうか。いやそん事はない。
どんどん少なくなっていく残りの時間を使って、公平君の逞しいチンポで私の身体を貫いて欲しい、今はこのことで頭の中が一杯なのだろう。
そんな母の姿を見て、途端に虚しさを覚えた。
母の性行為の一端を垣間見ていて、興奮はしている。というか、興奮しっぱなしでおかしくなりそうだった。
沢木に比して粗末な私のチンポは、ビンビンのまま充血していた。
呼吸は荒く苦しく、胸の高まりは爆発しそうで、早く母と沢木の交尾が見たくて見たくて堪らなかった。
あわよくば、私も・・・。
私も、母の中に。
このチンポを・・・。
だが、母の眼には私のことなど、欠片も映ってはいないだろう。
沢木の気持ちを下げないようにフェラをして、機嫌をよくさせインサートして貰いたい。
くそ。
くそ、くそ、くそ、くそ、くそ、くそ!
一瞬でも沢木に彼女を抱かれたことを肯定したことを悔やんだ。
そして、そんな野郎に身体を蝕まれ雁字搦めに支配されている母を憎んだ。
この売女! 雌豚!! 色情魔め!!!
・・・違う。
違う。そうじゃない。
ごめん。
ごめんなさい。
だって・・・。
だって、僕・・・。
・・・お母さん。
お母さん・・・。
お願いだから・・・。
僕を・・・。
「あいつは、彼女を抱くという行為を、母であるあんたを抱くという疑似行為にしたかったんだ。同じ名前の彼女に対して、あんたの名前を叫びながらチンコを入れたいと思っていたんだろうな。だから、その子を抱きしめる時なんか執拗に名前を連呼したらしいぜ。・・・でもね、ここからが面白いんだけどさ。・・・あっはっはっは、いかんいかん、笑けてくる。・・・いざって時にね、プププ、チンポが役に立たなくなるんだって。あっはっはっは。親子だねー。いっつも『へにゃん』ってなるんだと。だからあの子は処女のまんまだったんだってオチ。ぶあっはっはっはっは。フニャチンのくせにさ、何か強がっちゃって、『あれ、変だな・・・、疲れてんのかな』とか演技しちゃったりしてんだとよ。マヌケだねー」
沢木の言葉を聞き、母は明らかに動揺していた。咥えていた、というか口一杯頬張っていた沢木のモノに対する奉仕活動を止めて、複雑な表情をして沢木を見上げていた。
「・・・何だ、その母親のような顔は・・・。どうしたんですか? 池田君のお母さん。口がお留守になっていますよ。・・・ちゃんと、咥えて、くれないと・・・。入れられたくないのかよ! 」
オグゥ! という母の鈍い声が、私を切なくさせた。沢木は母の頭を抱え安物のオナホールのように、喉の奥を破壊せんとばかりに何度も突き刺した。顎が外れるのではないかというくらい、母の口は広げられ、乱暴に、執拗に、何度も何度も突き刺された。呼吸なんて出来ているのだろうか。その間も、沢木の足の親指は母のアソコに挿入されていた。母は白目を向いていた。
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