沢木が無言のまま起き上がると、ベッドの上で仁王立ちした。
夜が白んできたのか、段々と外が明るくなってきて先程よりも二人の姿がくっきり見えるようになっていた。
天に向かって聳える珍棒は逞しかった。大きいカリ首は今にも火を噴きそうなほど赤く染まり、太い棍棒のような竿部分には、力みを感じさせるかのように太い血管が浮き出て脈打っていた。母はそんな怪物の前に跪く
と、大きく舌を出し、自らフェラチオ行為を始めた。無言の圧力からなる命令・・・ではなく、母の意思によるものだと感じられた。
「んべ、ぺロ・・・、あむ、ちゅ、んべえろ、あむ・・・、あむ・・・、ちゅう、ぺロ」
「旦那が隣に寝ているのに・・・。よくやるよな」
聞こえているのかいないのか、母は無言で沢木のものを舐めていた。
「・・・そうだよな。この次、いつ会えるか・・・、うっ、判らないもんな」
片手で竿の部分を扱きながら、袋を優しく舐める母。沢木は気持ちいいのか、少し声が震えていた。こんなやり方をさらっとするということは、相当沢木に指導されたか、それとも元々備えていたものなのか・・・。
「あんたはもう俺と会えないものだと思っていただろ? それが偶然なのか神の思し召しなのか、今日、いま、こうして俺のチンポをしゃぶっている。可笑しなものだよな。長年セックスレスだった身体に、ちょっと火
を灯してあげたら、こちらの想像以上に瞬く間に燃え上がってしまって・・・。自分でも消し方が判らないんだよな」
母は顔を真っ赤にしていたが、目をぎゅっと瞑り、そんな沢木の話を無視したまま行為を繰り返していた。
「欲しいんだよな。あの時みたいに・・・。気が狂うくらいマンコをグチョグチョにされ、俺のこいつで子宮を壊されんばかりに突かれたいんだよな」
言葉攻めに反応したのか、母の尻は少しピクンと反応してしまい沢木に笑われたが、それでもフェラ行為はやめなかった。
母は沢木にどこまで支配されているのだろうか・・・。
母がM属性だというのは判った。
母の中にそういう血が流れていて、沢木はそれを見逃さなかった。どういう方法でこうなったのかは知らない(沢木は誠心誠意などと言っていた)が、母の心の隙間に付け入り、若さと体力と巨根でその関係を持ったこ
とは事実だろう。
でも映画や小説でもあるまいに、一度そういう関係になったからといって、こうまで年下にいいように主導権を握られるものだろうか。
少なくともこの一ヵ月は会ってもいなかったろうし、連絡も取り合っていないはずだ。それなのに、この二人はずっと昔からの主従関係のように見える。
何故母はそうまでして、沢木に奉仕をするのだろうか。
「でもどうかな。その願いが叶えられないかも知れないね」
どういうことだ。
ここまで愛撫を繰り返してきた母の身体はできあがっているし、沢木だって母のフェラでもう準備万端のはず。後はインサートするしかないじゃないか。
まだ、じらして母の属性を頂点まで高めて様というのか。
もういい加減、見せてくれ。
私は・・・、母が沢木のモノに狂う姿がみたいのだ。
「ふふふ、あんたも気が付いているんだよな・・・。もうあまり時間が残されていないってこと」
時間・・・。
そう言われ、父のベッドサイドにある旧式のデジタル時計をみると、五時十分を指していた。
「あんたの旦那はまるで機械のように決められたタイムスケジュールで過ごしているんだよな。例えば、夕方は六時四十五分に帰宅し、風呂、ビール、晩酌を済まし、読書に睡眠。まあ、今日は飲みすぎちゃったから読
書は割愛だけどな」
よく知っている。
まさに沢木のいう通りだった。母はそんなことまで話していたのか。
いや、沢木が巧みに聞き出していたのか・・・。
「だが、起床時間はどうかな」
母の顔色が変わった。そう言えば、父は毎朝一定の時間に起きて、新聞は一般紙と経済紙を隅々まで読み、朝食、トイレをすませ、身支度を整えると、七時きっかりに家を出ていた。
その起床時間は・・・。
「五時半だったよな。いくら酒を大量に飲んで早く寝たと言っても、起きる時間は変わんないよ。そうしたら、こんなにおばさんが一生懸命しゃぶって挿入準備を整えてくれても、セックスはできないよね。と言うこと
は・・・、最高の快楽を感じられずに又日々の生活に戻ることになっちゃう。俺は良いけど・・・、おばさんは困るのかな。だから必死なんだよね。なんかいつも以上に従順だと思ったら・・・。へへ、あはははは」
沢木の高笑いにも、母は関心がないかのようにフェラを続けていた。
そうか、だから母は焦っているかのようにフェラをしていたのか。
最初、沢木の誘いを断っていたはずなのに、いつの間にか時間がなくなっても求めているようになるなんて・・・。
「・・・聞こえてるよね。おばさん。ねえ・・・」
じゅぽ、じゅぽ、と大きな口を開けて、全身に汗をかきながらフェラをしている母が、一瞬沢木の方を見た。その目は不安に満ちあふれ、何かを懇願するかのようだった。
「さて、時間も時間だし・・・、そろそろ止めようか。これ以上ここでこんなことしていたら見つかってしまう」
沢木は母の髪の毛に優しく触れながら言った。
母はそんな沢木の言葉を更に無視して一心不乱でフェラチオを繰り返していた。
「ねえ、おばさん。もういいよ。今夜は楽しかったよ。久しぶりにおばさんとエッチなことが出来てさ。・・・一つにはなれなかったけど、また会う機会があるだろうから・・・」
沢木の腰に添えていた母の手に力が入っていた。
母は入れられたいと思っている。
一度覚えた快楽が、手の届く距離に置いてあったら、掴みにいくのが人の弱さなのか。
沢木は無造作に母の口からチンポを抜くと、涼しそうな顔で「そんなに欲しいの」と問いかけた。
母は照れているのか、怒っているのか顔を真っ赤に染めていた。顎に添えられた手を払うと、力強い声で答えた。
「そ、そうよ。判っているなら早くしてよ。・・・あんたも今日は余計なことをよく喋るわね」
「なんだよ。通常モードに戻っちゃったのか。あーあ、そんなんじゃとても二人で愛し合う事なんか出来ないなあ」
沢木はふざけるように笑った。
「あ、あんたが要らないこと言っているからでしょ。今夜はあんたの方から誘ってきたんだからね・・・。せ、責任取りなさいよ」
いつもの母の様でありながら、見た事のない母が沢木をキッと睨んだ。
「責任って・・・。おばさんのマンコに入れろってこと? 友達のお母さんなのによくそういうことを強要できるね」
「う・・・、うっさいわね。何が『友達のお母さん』よ。今更・・・」
「そう。そんな態度? 別にこっちはこのまま終わったって全然いいんだけどなあ・・・。んじゃ僕は、そろそろおじさんも起きる頃だし、見つかったら洒落になんないから、池田君の部屋へ戻ります。」
沢木はベッドから降りると、自分の服を集めだした。
「ち、ちょっと! ま、待ちなさいよ」
「何? 」
「う・・・」
「どうしたいの? 」
「・・・疼くのよ。あんたに逝かされて・・・。我慢できないの! 」
半分泣きそうな母が可愛く見えた。
「おじさん、横に寝てるよ」
「判ってるわよ」
「もうすぐ起きるよ」
あれだけうるさかった父の鼾は止まっていた。二人の会話の僅かな間にある静けさが一層緊張感を高めていた。
「判ってる! 」
「いいの? このままセックスしてしまって、もしも家族の誰かが眼を覚ましたら、更に欲求不満になるおそれが・・・」
苛立ちが爆発しそうな母が沢木の言葉を遮った。
「判ってる、もういいでしょ! だから、早く・・・」
「何を? はっきり言ってよ」
「く・・・、ーーーーっ! 」
眼に涙を一杯溜めて母が悔しそうに言った。
「入・れ・て・く・だ・さ・い!! いちいち言わなきゃ判んないの。この馬鹿! 」
怒って横をプイっと向く母の拳は、固く握られていた。
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