彼女がエアロバイクを買った。
コロナで外出機会が減り、太り始めたらしく、
ダイエットのために運動を決意したようだ。
色気のない服装で
自転車を漕いでいる。
自転車と言えば、昔、俺は車とぶつかる軽い事故をした。
中学時代だった。
大通りの歩道を自転車で飛ばしていた。
飛ばしすぎていたかもしれません。
歩道沿いには、学校や小さなお店が立ち並んでいた。
信号のない小さな路地から、軽トラの車とぶつかった。
車の親爺は俺を睨みつけていた。
俺は腕をぶつけたくらいで、無傷だったので、
その場をすぐに立ち去った。
こんな昔の思い出話を彼女にしながら、
俺は彼女のエクササイズを見ていた。
多分、車の道路の方に、一旦停止の線があったと思う。
横断歩道のない路地だったから。
事故って、偶然出くわすんだな。
どうして、猛スピードで自転車を漕いだの?
うん。偶然、不良グループの先輩を見たから。
馬鹿ね。うん。
昭和はカツアゲとか、そういう、ビーパップの時代だったから。