痴漢の冤罪ですべてを失ったのが10年前。
執行猶予の有罪判決で会社はクビ、離婚されて、俺は東京を去って田
舎へ帰った。
その1年後、俺をハメた女子高生とその彼氏が、痴漢の冤罪で金を脅
し取っていたことが判明し、俺の疑いは晴れた。
8桁の高額の慰謝料と損害賠償を受けたが、仕事も家族も失ったまま
になった。
疑いが晴れた時、元妻がはるばる俺を訪ねてきて、復縁を申し入れて
きたが、断った。
「お前は、信頼できない。将来、運命を共にする人間ではない。二度
と顔を見せるな。」
と言った時の、元妻の泣きそうな表情が忘れられない。
でも、あの時、俺に向けた冷ややかな目、にべもない態度もまた、忘
れられなかった。
元妻のことは愛していた。
愛していたからこそ、俺を信用して欲しかった。
元妻に対する信頼はゼロ、再び一緒に人生を歩む気にはなれなかっ
た。
当時小5だった娘は、パパがそんなことするわけないと言ってくれた
が、元妻に手を引かれ、俺と引き離された。
田舎に引っ込んだ俺は、東京にいた時と同じ業界で働いた。
年収は減ったが、生活費が安いから普通に生活できたし、高額の慰謝
料もあったから、生活には困らなかった。
43歳の時、バツイチで当時小4の息子がいた香織という37歳の女と再
婚、今年で再婚6年になる。
香織は元妻のような洗練された美人ではないけど、人の良い可愛いお
ばちゃんだ。
見るからに気立てが良さそうな女で、一緒にいて癒された。
こんな女と結婚して、浮気した元夫が信じられなかった。
香織は、セックスもなかなかいい。
身体はちょっと寸胴気味だが、プリッとした尻とムチッとした太腿が
たまらない。
使い込まれたオマンコだけど、ジュクジュクした入れ心地が蕩けそう
なほど気持ちいい。
恥ずかしそうに感じている姿もまた可愛い。
夫婦だというのに、オマンコを舐められる時に顔を真っ赤にする。
喘ぐのを恥じらい、堪えきれず漏らす喘ぎが呼び水となり、ヨガリま
くってしまい、終わった後に恥ずかしがる香織が可愛い。
先月、娘が訪ねてきた。
名乗られなければ、娘だと分からなかった。
短大を出て、社会人になっていた。
「お母さん、亡くなりました。それを、伝えに来ました。ずっと、お
父さんに謝り続けて生きてきて、毎日泣いていました。そのことを、
わかって欲しくて、直接伝えに来ました。」
滞在時間わずか3分、香典と交通費だと10万円握らせて帰した。
俺に、深々と頭を下げ、帰って行った娘の背中が、9年前、俺に復縁
を断られて、トボトボと帰った元妻の背中を思い出させた。
そして、きっと、これが娘を見る最後の姿なんだろうな…と思えた。
その夜、元妻を弔って、ひとりで飲みに出た。
元妻も、俺に対してした仕打ちを反省して生きていた。
泣きながら暮らしたこの9年で、俺は、元妻を許してやろうと思っ
た。
墓参りに行こうとは思えわない、赤の他人だから…
ただ、13年間夫婦だった女だから、心の片隅にずっと居続ける。
今までも、そしてこれからも…