俺がうっすらと覚えている幼少期のこと。
たぶん幼稚園に通う前のことだったと思う。
断片的に覚えているのは、まず、母がやたらと饒舌な男を連れて買い物から帰ってきて、母と談笑しながら風呂に入っていったこと。俺がなんか不安になり風呂を見に行くと「坊主も一緒に入るべ」と男に言われ、一緒に入って体を男に洗ってもらった。
湯船に浸かっていた母がすごくニコニコしてこちらを見ていたのを鮮明に覚えている。
時間的につながりがあるのはわからないが次に思い出せるのは居間に座り二人は何かを楽しそうに話していた。
俺はその時母に膝枕をしてもらい横になっていたと思う。
会話の途中でふっと雰囲気が変わって男が母のそばに寄ってきてくっついてイチャイチャしていた気がする。
ここから再び記憶が曖昧で、次に覚えているのは二人が裸でお台所に立ち互いの体を触りあっていたとこと。
母の後ろに男が立っていて母の胸を揉みしだき母はうっとりした顔で男の大きなチンポを握っていた。
ここから細切れな記憶になってしまう。どれくらいの期間の付き合いがあったのかも覚えていないのだが、母と男が一緒にいた時は裸だったイメージが強い。
ただ、セックスをしていたシーンの記憶がない。
裸で抱き合ったり、しっとりと踊ってたり、母がお姫様抱っこされていたりといったものは頭に浮かんでくるのだが...。
恐らく俺の前ではセックスしてるところを見せないようにしていたのかもしれない。
時間軸さえ曖昧なのだが記憶の中でその頃、母がポロポロと泣きながら洗濯の仕事をしていたことがあったのが一番凄く印象に残っている。母が泣いているのを見たのは、その時だけだから尚更覚えている。
父はそんな母に曖昧な態度で接していたのも印象的だった。
これが喧嘩によって起きたのか浮気がバレたことによって起きたことなのか分からない。流石に聞けないことなのでもどかしい。
しかしその件が母の浮気と繋がっているとは思う。
先日、俺と妻が些細なことで大喧嘩をしてしまい、初めて妻を泣かせてしまった時にふとこのことを思い出し背筋が凍った。
正直、妻の方に原因があったことなのだけど、追い込み切ってしまった大人気なさを反省して言い過ぎたことを謝罪し、一晩かけて仲直りのセックスを久々にした。
しかし内心では妻には母のようなことをして欲しくなかった一心だったことを懺悔する。
心変わりさせぬよう、逃さぬようにという暗い感情の杭を打ち込むように妻を抱いてしまった。