約50年前、初めて海外に駐在した国は部族間の内乱で生活物資が不足して
いましたので、日本人駐在員約20人が御馳走を食べに各々の車で隣国のホ
テルへ行きました。
そこで夕食に生牡蠣やエビをたらふく食べた後、皆は三々五々ホテルの
プールサイドで夕涼みしていました。
その時、未だ独身だった私は日本大使のご令嬢(22歳)を誘い、海岸通りを
ドライブし、月夜の椰子の木陰で車を止めて海の波の音をバックに洋画の
シーンそのものをしていました。
さて、ホテルへ帰ろうとしたら、タイヤの一本がパンクしており、ご令嬢
に懐中電灯を持たせ、予備のタイヤと交換し何とかホテルへもどりました
ら、他の連中から何処へ行ってたのじゃとか、何をしていたの?なんて詰
問されたので、正直に「ドライブしてたら、タイヤがパンクして...。」と
答えたところ、意地の悪い老人が燻らせていたパイプをはずして、大使ご
令嬢の下腹を覗き込むようにして、「ウン! あんた何処がパンクした
の?」なんて冷やかすので、私はその場をにげだしました。