厨房の頃クラスで変な遊びが流行っていた。それは体育の授業でジャージに着替えるのだが、背後からそっと近づきズボンをずりおろすというもの。虐めとかの類いではなく、単なる悪ふざけ。やるほうもやられるほうも暗黙の了解というかルールみたいなものがあって間抜けな姿を晒したクラスメートを笑いものにする。だから大概の者は下に短パンなどを穿き込んでいたのだが、ある日運悪く(?)転校生がやってきた。想像通り悪ガキ共の標的にされるのは言うまでもないことである。最初は様子見、少し慣れてきたところで実行に移されることになった。体育の授業が終わり、教室に戻る途中で事件は起きた。実行役が後ろからそっと忍び寄り、そいつのジャージに手を掛けた瞬間、同じく授業を終えた女子グループから悲鳴があがった。ジャージを脱がせた勢いでブリーフも一緒に下ろしてしまったのだ。見事に皮を被ったシンボルは漸く生え始めたヘアーを巻き込み、まるで象さんが鼻で蕎麦を啜っているように見えた。そいつはいきなり恥をかかされた上に「ソバゾー」なる称号まで与えられることになった。