何事もやり過ぎはよくない、というお話し。
ホッと一息ついたときに、「あーーっ」と伸びをしながら大きな声を出す
のはよくあること。
「あーーー・・いうえぉ」などと、調子のいいときは「あ行」を制覇した
ひともいるでしょう。
その日は、調子がよすぎて「か行」まで突入した俺。
仕事から帰り、ひとっ風呂浴びて、嫁が晩メシをつくるまでソファでごろり。
つつましいながらも、ささやかな幸せを「あーーーーー・・いうえ
お・・」などと、思いっきり伸びをすることで体現し、ついでに「か・
き・・」まで言ってみた。
「く」まで行かなかったのは、だいたいこんなもんは一呼吸でするもんだ
から。
伸びをし終わったら、いきなり台所でどさり。
何かの倒れる音がして、慌てて目を向けてみたらヨメがうずくまってる。
「どうした!?ヨメ?」と、駆け寄ってみれば、体震わせながら腹抱えて
笑ってる。
どうやら、最後の「か・き」が予想外だったようで、相当ツボに入ったら
しい。
笑い上戸のヨメは、一旦ハマるとなかなか立ち直れない。
一極集中型の俺とは違い、同時並行が得意なヨメ。
見れば、3つあるコンロはフル稼働。
スパゲッティを茹でてる寸胴はぐつぐつ言ってるわ、ミートソースを作っ
てるフライパンは火が掛かったままだは、おまけになぜか知らんが魚まで
焼いてやがる。
「たのむ!起きてくれ!」
つま先で突つこうがなにしようが復活しやせん。
結局、魚はほとんど炭と化し、でろでろの麺を焦げ臭いソースで味わうこ
とに。
いや、火を止めればよかったんだが、どういうわけか、ああいうときは頭
が回らない。
で、「なんで、「か行」まで行くのよ?」と、まずい飯を食いながらヨメ
からは怒られる始末。
そうか・・・やり過ぎはよくないって、こういうことを言うんだな、など
と間抜けな人生訓を学んだ一日になりました・・・。