ごめの回答にはなっていませんでしたが、それがすべてなのだろう、とは理解できました。
「うちの田舎は、昔から・・。」
妻の口から放たれた言葉は、信じがたい実情でした。
・妻の田舎の漁村では、神儀として、地区の童貞の筆おろしを、地区の選んだ女性が行う(ちぎと)。
・その神技を行う女性をごめ。(旦那さんを無くした未亡人を選んで行っていたことから、後家に由来して、ごめと呼ばれている)
・意味は三つ、元服、子孫繁栄、女体信仰(生娘と交わる前に露払い)からなる。
・昔は元服の時期14~16歳ころに合わせて行われていた。(現在は、近代化で、満18歳の次の春にらしい。
「いや、、でも?、実家に住んでるわけでも無いのに・・。 なぜ?、、田舎を離れて随分経つのに?、、他にもいるんじゃないのか・?」
私は純粋にそう思いました。
「・・、いま、うちの田舎も過疎だし、、お年寄りばっかりだから、村も困ってるみたい・。」
首を少し左右に振りながら、妻は淡々と応えました。
「でも! なにも、村を出ていった人間でなくても・。」
「・・ごめん、、今回、うちの親が仕切り親役になっているの・。」
なんとなくですが、現実味の無い、事情が解って来ました。
それが、最初の、「狭い村だから、断れないの・。」逃げない理由に、繋がっているのでしょうか、。
妻は、実家の両親のために身を投げをするつもりなのでした。
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