祖母から渡された日記帳には【2003年~】とだけ表記されていました。
2003年といえば両親が離婚した前の年です。何が何だか訳がわからない私は祖母「ばあちゃん、これ何?」と尋ねました。すると、
『これはね・・純ちゃんのお父さんがつけてた日記なのよ』
「父さんの?」
『お婆ちゃんも去年知ったの。あの子が入院した時にねえ、その準備で入ったあの子の部屋で見つけたの・・』
「それで・・これは?」
『それは日記を見てくれればわかるはずよ・・・日記はあと1冊その箱に入っているから・・』
祖母はそう告げると仏間から出て行きました。
急な展開に動揺していた私でしたが、祖母の意味ありげな言葉に引っかかる物を感じたのも事実。
言い知れぬ不安を感じながら一番最初のページをめくりました。
【2003 11/13
今回で2回目。相手も同じ。もう別れるしかないんだろうか?考えがまとまらない。】
(今回で2回目?相手も同じ?何だこれ?もう別れるしかないって・・父ちゃんと浮気相手との事か?)
【2003 11/20
今日は終日胃が痛い1日だった。興信所から資料ををもらって帰って来たが俺はどうしたいんだろう?離婚?子供たちは?だめだ、何も考えられない】
(興信所?父ちゃんが興信所頼んだのか???)
【2003 11/22
子供たちが休んだ後、悦子と話した。中々認めようとしないから興信所の資料を見せた。あっさりと認めた。もう俺の事を男としては見れないと言われた。怒りよりも悲しくなった。なんか胃が痛い。】
【2003 11/25 岡田を交えて3人で話し合いをした。2人は本気だそうだ。惨めだ。話し合いの途中で目で合図し微笑みあうのを見てあきれた。こいつらにモラルなんてない。子供は引き取りたい?許せない!!こんな非常識な人間に大事な子供たちだけは渡せない!!】
いつの間にか涙が出ていた。
ここまで読んである真実が確実に存在する事だけは分かった。
父は浮気なんかしていない。私たちを裏切ってなんかいなかった。それどころか・・・
「母ちゃんが浮気・・・相手は再婚したおやじさん・・・」
衝撃の事実を知った私は涙を拭い、日記をさらに読み進めました。
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