彼女の引っ越し先は遠いが俺も行くことが結構あるので、せめて連絡先だけでも聞いてみようと思っていた。
『そんなとこで待たせてごめんね。』
「い、いえ。気を使わせてすんません。」
彼女は徐々に敬語からタメ語に変わり、打ち解けてきたように感じた。それにしても玄関は暑い。彼女から麦茶を受け取り一口。
氷が多すぎて一口で飲み干してしまった。麦茶を飲みながら軽くしゃべりながら連絡先を聞き出そうと思っていたのに作戦失敗。
「ご馳走さまでした。」
彼女との密室の一時が終わってしまったと思ったら
『氷ばっかりでごめ~ん(笑)もう一杯入れるね。』
とこちらに手を差し伸べてきたので、コップを渡そうとしたら彼女の手が触れ
『さっきから手が触れてドキドキする。』
「ですね。俺だけじゃなくてよかった(笑)なんなら手繋ぎます?」
と意味の分からぬ事を口走った。
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