僕はネカフェに着くと風俗サイトを検索した
まずはオキニが働いていた店
そこには彼女らしき女性の在籍はなかった
その雑居ビルに入っていると思われるデリヘル店
系列店も含めて聞いていたので検索を続けると
初心者マーク付きで彼女と思われる写真に目が止まる
モザイクで目と鼻は良く見えないが
ピンクのルージュと口元のホクロは一致した
手が震えた…
タバコを吸って気を落ち着けてから電話した
初めて利用するお客様は60分で格安料金ということで説明を受け
僕はキレイなホテルを選んで店に再度電話した
「〇〇〇の503号室ですね?」
20分後には案内する旨の説明を受け、ドキドキして待つ
時間ちょうどにノックされ、ドアロックを解除してもらってドアを開ける
「女性の嫌がる行為は禁止です」その後の言葉は覚えていないが
黒服の男性に料金を支払い、彼女が部屋に入ってきた
僕はあえて背を向けて部屋に入る
彼女がお辞儀をしながら
「初めましてアユです」
顔を上げたアユは「え…!」そのまま固まってしまった
「〇〇さんですよね?ちょっと、マズいですよね…チェンジしますか?」
「俺もビックリした…」そう答えると
「お店に電話しますね?」
「いや、俺はタイプだったから指名したんだよね…ダメだった?」
何とか説得し、彼女を部屋に招いた
だが、気まずさからか?僕はソファー、彼女はベッドの隅
微妙な距離感と弾まないトーク
旦那と別れ、パートだけでは生活も苦しくて
少し前に風俗で時々働くようになったこと
ここで働いていることは幼稚園に内緒にしてほしい
「それはお互いさまだよ…僕だって妻がいる」
30分くらい話をしただろうか
「もう、時間ないけど…するの?」
「俺は君を抱きたい」
そう言うのが精一杯だった
「タバコ吸ってもいい?」
彼女がタバコ吸うのは想定外だった
ソファーの隣に座った彼女にキスをした
軽いキスだった
「私でいいの?」
「さっき言ったよね?タイプだよ~」
少し軽く言って再度キスをした
それは舌を絡めたキスになった
「もう、時間ないよ」
ようやく彼女が笑った
「じゃ、また今度に楽しみはとっておく」
また彼女は笑った
「私が事務所に帰ってから携帯に電話くれる?」
ようは幼稚園から子どもが体調悪くて迎えに来て欲しいという
そういうシチュエーションで急きょ店を休むというもの
想定外だった
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