名前は佐藤さん、年齢は五十代半ばでした。
人妻さんではなく、未亡人さんでした。
たまたま佐藤さんが休みのとき、私は飛び込みでいったんです。
電気ポットが壊れて、買おうと思っていた、すんなり電気ポットお買い上げ。
後日納品、お金もいただいた、じゃあ有難うございました、とはなりませんでした。
どんな商品扱ってるのかとなり、家に上げてもらい、扱い商品を説明しているうちに、未亡人の一人暮らしと知るようになりました。
息子さんが産まれて一年くらいで、白血病で旦那さんを亡くし、幼い息子を一人で育ててきた、身の上話を聞かされました。
その息子さんも結婚独立、子供が産まれたことで、マンションを購入、息子さんから同居を打診されていたんだそうで、何かしら家電の一つくらい買ってやらなきゃ、ってなとこだったみたい。
その産まれた赤ちゃんの成長記録に、ビデオデッキとビデオカメラなんかどうですか?
家族の記録も取れますよ?
決まりました。
納品してしばらく過ぎたとき、佐藤さんから電話来ました。
取り付けや説明は、説明書みればお嫁さんや息子がわかるだろうからいらないと言われ、物だけ納めたんです。
電話しました。
取り付けとかアフターサービスない代わりに、引っ越し作業をちょっと手伝ってとの依頼。
ちっ、と思いながらも受けざる得ません。
行ってみたら、引っ越し作業なんか何にもしてない、あれ?と思ったんです。
引っ越し作業の手伝いの要求ではなく、セックスの要求をされ、私はびっくり仰天です。
亡き主人と思い出が詰まったこの家を去る前に、どことなく亡き主人と似たような雰囲気を持つ私に抱かれてみたい、そうお願いされたんです。
佐藤さんには後悔があったそうです。
出産育児に追われ、ご主人の要求を受け入れないでいた矢先の、ご主人の病、そして他界。
お願い聞いてあげておけば良かったとの後悔があり、以降誰ともそうゆう関係を持たずにきたそうで。
電気ポット買ったとき、亡き主人に雰囲気が似てるなと思って、おばさんで迷惑だろうけどお願いしてみようか、思ったそうです。
確かに干からびたおばさんに見える佐藤さん。
でもそうまで言われたら、嫌ですとは言えませんよ。
痩せてシワが目立つ体に、苦労や後悔が深く刻まれてるのかな~と思いながらやりました。
そのときはさすがに、ノースキンでした。
後日、近所を通りかかったとき、業者さんがきて、引っ越し作業されてました。
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