大学時代に交際をした由紀子とは社会人になって直ぐに結婚
同時に妊娠となった
様々な検診を受けた由紀子に重大な病気が見つかった
『拡張型心筋症』
堕胎を強く勧める医者に頑として逆らい総合病院へ転院しての出産
母体へのダメージは思いの外激しく由紀子は子供の顔を数分見ただけで１週間後に召された

設計会社勤務の自分は両親と妹の協力を受け必死に子育てしながら仕事も頑張った
頑張ったと言っても仕事に穴が開く事もあった

会社の大先輩で既に独立され大会社にＡさんがいた
時々仕事を共同で行っていたので面識もあり可愛がっていただいたり心配をしてもいただいていた
そのＡさんから女性を紹介され再婚を勧められた
自分より１歳年上の美佐子は美人で器量も良く旧国立一期校でのインテリでもあった
『伝い歩き』を覚えだしたむすこ・だいきを連れて何度かデートをしていると物凄い子供好きで料理も上手な女性だった
その後もＡさんからの強い勧めが続き美佐子も自分たち親子を気に入ってくれたので由紀子の両親に頭を下げ再婚を決意した
美佐子は家の中の事は完ぺきにこなした
紹介された時点で既に処女ではなかった美佐子は由紀子とは比較にならない程『床上手』でもあった
どんなに疲れて帰宅しても営みを求める人だった
大樹は美佐子を実の母と信じ疑う事なく成長した
美佐子の躾の賜物で大樹は真っ直ぐに育ち平穏な家庭を絵に描いた様だと自画自賛できた

自分もやがて独立し小さいながらも設計事務所を構えた
前の会社やＡさん経由で切れ目なく仕事をいただき軌道に乗り人を雇える規模になった
勿論美佐子の内助の功あってのモノだった
仕事も締め切りが近づくと激務になり事務所に泊まり込む事は独立直後から常だった
そんなある日締め切り前夜なのに順調に仕事を終えられたので夜半過ぎに帰宅をした
玄関に入ると真っ暗で静寂だった
手探りで階段を上り寝室へ向かっていたら美佐子の喘ぐ声が聞こえてきた
セックス大好きな美佐子の事オナニーに耽っているのだろうと思いながら『これは今から強請られるな！』と覚悟をした
美佐子を驚かそうと静かにドアを開けると全裸で重なり合った男女の姿があった物凄い勢いで腰を動かす男
動きに合わせて導かれる卑猥な音と美佐子の喘ぐ声
突如男は
「お母さん気持ち良いよ」
と発した
中学２年になった大樹と美佐子がデキていた
怒鳴る事も考えたが妙に客観的な自分がいた
大樹がイキそうになり雄叫びを上げたところで静かにドアを閉め事務所に戻った

血の繋がりがないとは言え妻と息子の近親相姦のシーンは思い出すたび気持ちが悪くなり吐き気を覚えた
モヤモヤして数日が過ぎ『離婚』も考えたが『復讐』のワードが脳裏を掠めた
妻も知らない友人４人に協力を仰いだ
２人の関係を知らない振りを続けて『温泉旅行』を提案した
２人は大変喜び乗り気になった
山間の露天風呂や家族風呂もある温泉ホテルを予約した

当日ホテルに着くなり家族風呂に３人で入ったが拒まれるかもしれないと思った大樹も逆らう事なく裸になり美佐子も恥じらう事なく素肌を晒した
大きな窓には絶景が広がり長湯する程に満喫できた
夕食はレストランだった
３人でテーブルを囲み食べ始めた時隣のテーブルに友人たちが着座した
偶然を装いながら７人で大いに盛り上がった
友人４人は極自然に美佐子に酒を勧めベロベロになった美佐子は初対面の友人たちと楽しそうに打ち解けた
部屋に戻って７人で二次会
初めは上品に振舞っていた美佐子も酔いが回り浴衣の乱れに気付かずに太腿やショーツを晒していた
詰まらなさそうな大樹を誘い親子２人で露天風呂へ
久々に大樹と差しで時間を共有した
美佐子を寝取った息子とは言えかつて激しく愛した由紀子の忘れ形見
自分にとっても掛け替えのない存在だった
そんな大樹にこれから修羅場を見せる心苦しさに負い目を感じた

部屋に戻ると５人は裸で乱れていた
元来セックス好きな美佐子は４人を相手に酔いで身を任せ獣になっていた
大樹は美佐子に「ヤメテー」と叫ぶが美佐子の心には届かず痴態を晒し続けていた
自分も立場上看過できず４人を廊下に追い払った
だらしないアヘ顔のまま寝入った美佐子
ショックで泣きはらす大樹
美佐子を放置したままだ域を布団に寝かせ自分も寝入った

翌日は朝からギクシャク
美佐子に冷たい視線を浴びせ口を利かない大樹
自分も美佐子に冷たく接した
会社で契約している弁護士の伝で民事に強い優秀な弁護士に依頼し離婚調停へ進んだ
美佐子を紹介してくれたＡさんに報告と詫びを入れに自宅へ訪問した
その席で奥様が部屋を出た際にＡさんから逆に詫びられた
美佐子はＡさんの秘書をしながら愛人でもあったと告げられた
奥さんにバレそうになった時自分が一人で子育て中と人伝で聞き払い下げたそうだ
Ａさんは美佐子を自分好みのセックスマシーンに調教し表向きは淑女のままでいながら本質は絶えず男を求める肉便器に仕上げたそうだった

程なくして離婚は成立
大樹の事を案じ二度と会わないと書面で交わした
大樹には継母であった事実を伝え『叔母』として教えていた仏壇の写真の人が実母と伝えた
同時に『人の道』を説き自分の思いに任せて大切な人を裏切る事によるあらゆる喪失と焦燥を学ばせた
美佐子の躾のお陰もあってか大樹は傍若無人な振舞もせず人間不信にもならず学業にもスポーツにも精を出し無事に成人し自分がかつて務めていた会社を自ら希望し就職してくれた
将来は自分の会社を継いで貰いたいと切に願っている

美佐子とは離婚以来あっていないし何をしているのかも知らない
大樹が働き出した後結婚を前提に付き合っている『彼女』を紹介してくれた
その頃から白髪が目立つ年になった自分だが大樹に誘発される様に交際相手ができた
由紀子の妹の亜由美と偶然再開した
亜由美は数年前に離婚し一人で娘を育てていた
大樹の従妹の母(実の伯母)なので結婚に踏み切れないが大樹がマンション住まいとなり独り暮らしとなった我が家に母娘ともに引き取り亜由美には表向き事務員として雇い大樹や姪・朋絵に気付かれないペースで関係を続けている
亜由美もわきまえてくれているので今は新しい３人家族で普通を装って楽しく暮らしている