数年前、年上の女と初めて付き合った。
すっかりのめり込んだ俺だったけれど、あえなくすれ違い、別れを切り出された。
傷心の俺はすがるような思いで出会い系に手を出し、ほとんどの女にはスルーされたものの、どうにか一人の熟女とメル友になれた。
幸恵、51歳。
母より年上という事実には少しばかり気が引けたが、この際、思いっきり年上を狙ってしまえと前のめりに攻めた。
メールを続けて数ヶ月、俺は幸恵をおだてまくった。
中年女性ではなく、「女の子」として扱った。
それが功を奏し、ようやく初デートにこぎ着けた。初めて会った幸恵は、やや上品な年相応の美人だった。
ありがたいことに、2回目のデートは向こうからのお誘い。そして、二人きりの場所で休みたいという提案に、わずか2回目の逢瀬でホテル行きに成功。
人生初の五十路の肉体に、若い女では感じられない興奮があった。
あれから四年。二人の力関係はいつしか逆転した。
初孫にも恵まれたというのに、幸恵の欲求は止まらない。
俺が「やりたい」とメールすれば、家族に嘘をついて家を抜け出して会いに来る。
俺に会うまで半世紀の間お口は処女だった筈なのに、今ではどこぞのギャルのように、下品な音を立てながら、媚びるような顔で必死にむしゃぼりついてくる。
騎乗位なんて知らなかった筈が、今では涎を垂らしながら必死に腰を振ってくる。
自分の子供たちよりも若い男に呼び捨てにされながらも、敬語でおねだりしてまで、俺に抱かれに来る。
俺の幸恵への扱いはどんどん雑になっていった。
早いうちに、どうせ閉経してるんだからとゴムも使わなくなった。
しかし、そんな風に扱うほど、幸恵はかえって俺にのめり込んでいくようだった。
俺としては幸恵には感謝しかない。捨てるつもりもない。
しかし、家庭や近所では良き妻、良き母、良き祖母として振る舞う幸恵。彼女にとって、これは本当に幸せなんだろうか?