部屋係りのお姐さんに心付を渡し、2泊目の今夜の食事は不要である旨伝えた。
「昨日も頂いておりますのに…」
高級旅館の豪華な料理を、2日続けて食べる気にはならなかった、私の我儘に対するお詫の気持ちを込めているつもりだった。
遠慮する彼女の手に押し付けて私達は駐車場の車に乗り込んだ。
今日はどこに連れて行ってくれるの?」
美智代の弾んだ声に笑みで応えたが、行先については何も答えずに出発した。
以前にこの辺りを訪ねた時、地元の人に教えてもらっていた。
川に沿って走る国道だが、その対岸には別の林道があり、殆ど使われていないことを…。
ごく稀に工事用車両が入るくらいで、あとは狸かカモシカが通るくらいだと笑っていた。
連休中の今日、まさか工事などは行われてはいない筈、そう狙いをつけて私はその道路に進入することを決めていた。
橋を渡ると、そんなに広くはないが、確かに舗装された側道があった。
少し進んだだけで、両側から延びた木や草がしきりに車体を打ち、路面には落石したものだろうか、小石が散らばっている。
ふと不安な思いが過った。
万が一対向する車が来たら、とてもすれ違いなど出来る筈がない。
いつしか美智代も無口になっていた。
祈るような気持ちで進んで行くと、ようやく拓けた場所に出て、車を停める事が出来た。
「対向車が来なくて良かったわね」
どうやら美智代も、私と同じ心配をしていたようだった。
軽く唇を合わせて車外に出ると、彼女は私に身体を擦り寄せてきた。
美智代の肉体から湧き出た、甘い体臭が私の鼻腔を刺激して性感を掻き立て、目眩がするような感覚に陥っていた。
パンツの中では、分身が頭を持ち上げ始め、これから決行しようとしている秘かな企みを思い浮かべたら、益々成長していった。
私は美智代に気取られないように、何気ない素振りで辺りを見回していた。
山の中には秋の気配が漂い、若干だが木々の葉も色づき始めているものがある。
しかし、直射日光を浴びているだけで汗ばむくらい気温が上がってきた。
車内に戻りエアコンを強め、涼しい風を受け漸く汗がひき、私の気持ちも落ち着いたので方向転換をして、車を道路側に向けた。
「行かないの?」
美智代が怪訝そうに訊ねる。
「うん、まだ行かないよ」
実は、方向転換をしたのは、ドアを万が一の場合の遮蔽物にする為だったのだ。
「脱ごうか…」
「えっ?」
「脱ぎなよ…」
「ここで?」
私の言葉に美智代が呆れていたのか、喜んでいたのかは、彼女の表情から読み取ることができなかった。
しかし、キスをして唇を離すと…
「大丈夫?誰か来ない?」
決断の早さからは、決して嫌がっていないと判断することができた。
「太陽の下で君の素敵な身体を撮りたい」
「またぁ、すぐにおだてるんだからぁ」
笑いながらも素早く全ての衣服を脱ぎ捨てた美智代を車外に連れ出した。
「ホンとに誰も来ない?」
「車が来る前に音が聴こえるから大丈夫」
始めとても緊張している様子だったが、撮るほどに表情が和らぎ、カメラに向けて自然な微笑みが浮かんできた。
カメラマン失格のスケベ親爺…。
シャッターを押す指が震え、パンツの中では男根が猛り狂い、喉が渇いて堪らない。
私自身相当興奮していたのだ。
撮り終えて車内に戻ると、美智代が恐ろしい提案を投げ掛けてきた。
「次はあなたの番ね」
「ええっ!!」
「だって美智代だけ裸だなんて不公平よ」
結果私も全裸モデルとしてデビューする羽目になってしまった。
「撮る時は、低い位置から狙ってね
その方が立派に見えると思うから…」
「なにが?」
「美智代が大好きなもの…」
カメラをセットして全裸の私…。
美智代が手と口を駆使して勃起を促し素早く離れる。
予想以上の作品に仕上がっていた。(笑)
そして私たちは車内に…