俺が23か、24位の頃、東京の某市のオンボロアパートにひとり暮らししていた時、友達から紹介された建設現場の仕事を辞め、それから先は、とりあえず簡単に仕事が決まる派遣会社に登録してみた事がある。
派遣会社での登録というのは初めてで、登録する日は履歴書、職務経歴書、身分証、印鑑、筆記用具。たしかこのあたりを持参し、会社に向かったと思う。
そして電話での約束の日時に派遣会社に到着し、案内されるまま接客ブースで待っていると、スーツ姿の40代くらいの男が現れ、それからパソコンを使って簡単な一般常識のテスト、漢字テスト、あとパソコンのタイピングの適正検査などをさせられた。
そしてまた、しばらく待っていたら、、この話の主役となる、タイトスカートのスーツ姿の山野さん(32歳♀既婚 子供なし)が、俺の営業担当として初めて会うことになったのだ。
山野さんから紹介された仕事は、某大手物販会社のコールセンター。時給1350くらいだったと思う。簡単な入力ができればok という事で、俺の年齢が若かったこともあり、未経験者歓迎ってとこだった。
俺は現場仕事しかした事がなかったが、憧れのホワイトカラーで就業でいるなら、別にコールセンターでもなんでもよかった。夏はエアコン、冬は暖房。そして女の子に囲まれて仕事ができるならどんな仕事でも申し分なかった。
そして早速、俺はその仕事に応募し、大量募集という事もあって派遣先での面接などはなく、ただ説明会に参加し
だけで合格。俺は翌月の1日から6ヶ月おきの更新契約で、その会社で派遣社員として働くことになったのである。
ここで山野さんについてすこし話しておきます。
年齢は32歳。髪の毛はストレートで肩くらいまで。体は小型。でも胸は体にアンバランスでやや大きめ。雰囲気はしっとりとした落ち着いた女性。可愛らしい感じもあり、30代なら30代の魅力があるんだな。って感じの人だった。
そして俺は、初めての登録会、そして説明会のたったの2回だけ、この山野さんと顔を合わせ、あとはもう電話で初出勤日を聞き、初出勤の日もまた派遣先までついてきてくれた。それから2ヶ月間、まったく山野さんと会うこともなく、またこれといって俺も会いたいとも思うことも、当然の事だがまったくなく、あっという間に派遣先での研修がおわり、現場投入という感じになっていた。
俺が現場投入されて1ヶ月目、つまりこの派遣先で仕事をした2ヶ月目、俺はその時ツルんでいた友人の数名と、明日が仕事だっていうのに朝まで飲んでしまった事があった。ついついハメを外してしまったのだ。
そして翌日、鬼のような二日酔いで頭痛プラス鬱 さらに会社に休みの連絡を入れようとしても、携帯を紛失しているという有様。
(うーわ・・・俺、、おわった・・) と最悪、まさに最悪としかいいようのない状況になってしまった事がある。ほんの数十時間前までは、気分良く仕事がおわって、「お疲れ様ー」と同僚と話していたのに。
そして、二日酔い自体は半日寝てたら治ったが、携帯はどこを探しても見つからなかった。俺はパソコンも持っておらず、すべての会社のHPを見るにも携帯でやってたし、派遣先も派遣元もすべて連絡先は携帯に登録し、書類などは捨ててたし、まったく連絡できない状態になっていた。
そしてその翌日も仕事に行くのが憂鬱で、、(このまま飛ぼうかな・・・) なんて考えながら、不安や悶々とした気持ちを打ち消すためにまだ朝の10時くらいだというのに、冷蔵庫からビールを出して、500mmの缶を3本くらい飲んでいた。
酒の酔いもあって、俺の心配事は、仕事うんぬんではなく(仕事はもう、飛ぼうと思ってた。)ケータイのほうにあった。ケータイがないと、今後の生活にかなりの支障が出るし、家にあるツールはケータイしかなかったので娯楽も奪われるような状態になっていたのだった。
俺は部屋でも片付けたら、気持ちも落ち着くだろうと、部屋の掃除をしながらビールを飲んでいると、、「コンコン!!」 と、このオンボロアパートの木製のドアをノックする音が聞こえてきたのだった。
(まさか!!!!) と思った。 なぜなら2日間も連続で無断欠勤をしているので、派遣元の営業担当の山野さんが、安否確認のために様子を見に来たんだ!と直感した。 そしてその直感はあたっていた。
俺はそのまま6畳ひと間の空間で数十秒ほど立ち尽くし、そしてドアのカギをしていないことを思い出した。(しまった。。ゴミ捨てに行ってから部屋入るときカギしてねぇ。。。)
俺は咄嗟に思いついたのが、「病気のフリ」である。もし、万が一部屋の中にはいられても、布団の中で苦しんでいたら、無断欠勤した事もなにか、多少、罪が軽くなるような気がしたのだった。幸い、家で着るようなパジャマの黒のスエット上下しかきていない。このまま布団の中に潜り込めば助かる。と思った。
俺は畳にひいてる布団の中に潜り込み、、(早く帰ってくれ・・・入ってくるなよ・・・)と祈っていた。 外では、「コンコン コンコン 竹本くーん コンコン」 としつこく山野さんがドアをノックしているのである。
そして、、ガチャ。 という音がすると同時に、「開いた」という山野さんの一言。 そして「竹本くん?いる?」と、まだしつこく玄関先で呼んでくるのである。
俺が寝ている6畳の部屋と、別のキッチン、トイレ、玄関のとこではガラスの引き戸で遮られている。俺からはガラス戸の向こうに、太陽の光を背景に、ドアが開いているところと、そのドアの間に小柄な人物が立っているシルエットが見えた。
「竹本くん。心配だからあがりますよ。様子みにきただけだから。 おじゃましますね」といって入ってきて。。。ガララ とガラスの引き戸を開けてきたのだった。もちろん、俺は布団の中に入り、体を丸め、寝たフリ。
「竹本くん? 大丈夫?」とスッタスッタと俺の頭のほうまで移動してきて、俺の枕元でしゃがみやがった。この頃、俺がどれだけ緊張していたか。。 さらに「生きてる?」といいながら、布団をめくってくるのである。
俺は、、「あ・・・ ああ。。山野さん・・」というと、「うわ、酒くさ・・w」といきなり言われた。病気のフリどころか、最悪の結果だったw さっき飲んでた500×3本のビールと、顔の赤らみをの存在を忘れていた。
しかし、山野さんはまったく怒っている様子もなく、「もー。かなり心配したよー。急に連絡とれなくなるんだもんー 死んでたらどうしようと思ったー」て、安堵したのか、俺の枕元で、ぺちゃん。って軽く膝を開いた女の子座りみたいな感じになった。寝ている俺の角度からは、山野さんのタイトスカートの中から、パンスト越しに白いパンツがかなり鮮明に見えた。
俺はやっと上半身を起こして布団の上に座り、目の前でパンツを見せた状態のまま座るの山野さんに、この数日、何があったのかをすべて白状した。ツレと飲みに行ったこと、朝まで飲んだこと、ケータイなくしたこと、よけい不安になって2日目もいかなかったこと。不安をなくそうと酒のんでたら山野さんが来たことw など。
山野さんは、「あのねーw それ、一番、ダメダメ人間の思考じゃん。もー。しっかりしてよー酔っ払いめ」と言われた。俺はなぜか嬉しかった。姉貴とかいない俺だったが、なにかこんな柔和な感じで心配して家まで来てくれるオネーさんが居ることが、なんだか俺にとってはかなり新鮮だった。
山野さんは、相変わらず短いタイトスカートの中から、そのままパンツ見えた状態のまま、派遣先と自社に連絡をし、俺が家で体調を大幅に崩し、寝込んでいたと嘘の報告をしてくれた。そしてこれから病院まで連れ添います。とも言ってくれた。
時間は12時くらいだったので、「ごはん食べたの?」と言ってきたので、「いあ、酒のツマミにポテチとかしか食ってません」というと、「はーー・・あきれた。 じゃ、何かかってくるからさ。スーパーとかどこにあるの?」と言ってくれたので、、「信号まががって2,3分あるいたとこにスーパー○○っていうのがあります」というと、「なんかかってくるわ。私もお昼まだだし。。」といって、山野さんは去っていった。
俺は山野さんがいなくなった瞬間、ダッシュで部屋の残りを掃除し、今度は「女性を迎え入れれる体勢」を整えたwww
四角いガラステーブルをだし、布団を片付け、本、服など散らばったものを全部、押入れに収納し、さらにホウキで畳を全体的に掃き掃除した。すると山野さんが帰ってきた。
「これでいい?」と俺にはチキン南蛮弁当を買ってきてくれてた。そして山野さんはパンとカップスープという、女性らしいお昼ご飯を買ってきてた。そして山野さんはキッチンに立ち、弁当を温めてたり、お湯を沸かしている間、シンクにあったコップや皿も洗ってくれて、、、俺は不思議な感覚に襲われた。
(派遣会社って初めてだけど、営業担当さんってここまで面倒みるように会社で言われてるのかな。。いや、そんなはずないだろ。これは山野さんのキャラクターなのかな) と、過剰な親切に俺は戸惑いを感じた。
そして四角いガラステーブルを囲みながら(ガラステーブルから、また山野さんは軽くパンチラさせながら)俺たちは昼食をとり、その日は金曜だったので土日と休み、また翌週の月曜からちゃんと出勤してね。と念を押され、なんとか昼飯が終わろうとしていた。
俺は若かったというか、馬鹿だったというか、(山野さんとこのまま飲みに行きたいな)なんて考えてた。俺は「山野さんはこの後、用事あるんですか?」と聞くと、山野さんは、「用事?もうどうやって時間潰そうか考えてるよ。だって、あなたの嘘に協力するために、病院までついていく。って言ったじゃん。いきなり帰ったら変でしょ」と言ってきた。
「すみませんwwww」 と俺は笑いながら答えたw そして俺の病名は、インフルエンザとかならリアルすぎるし、シーズン的におかしいので、食あたり。という事にしようと、そこで話を合わせていた。ケータイは正直に、タイミングがタイミングというのもあるが、紛失してしまった。とそこは正直に報告する事にした。
(けっこう、山野さんって話せるし、冗談通じるし、、、天然だしw かなりいい感じのひとだな。。。)と、俺は山野さんの魅力にとりつかれつつあった。
そして昼飯がおわり、山野さんが、「じゃ、そろそろ行くから来週からまた頼むね」と言ってきたので、「どこいくんすか?」って聞くと、「2,3時間、漫画喫茶で時間潰してから会社もどるよ」といってきたので、「いあ、わざわざそんなトコいかなくても、一緒にいましょうよ」と俺は、かなりストレートに言った。(若さのゆえか。。w)
山野さんは「一緒?ここで?」というので、「はい。いやですか?」と聞くと、「え?w いやっていうか、それはおかしいじゃん?」と、なにかたじろいているのである。
おそらく、山野さんは別に漫画喫茶で時間を潰そうと、俺の部屋で時間を潰そうと、そこは変わらなかったはずだ。ただしかし、社会人として一般常識的に、もうすでに過剰な親切をしているのに、さらに問題のあった派遣スタッフと、もはや個人的に一緒にいる。っていうのが、彼女の良心を悩ませたのかもしれない。
俺は直感的にそれはわかったので、「いあ、社会通念上、けっしてよくないってのはわかってるんですけど、漫画喫茶だって実費でいくわけだし、そもそも原因つくってるの俺だし。 そこは俺の気持ちとしてはこれ以上、負担かけたくない。ってのがあるんで。。。」 というと、「ふん・・・」(怒ってるのではなく、うなずいてる)
といい、さらに、「もう今日は病院から直帰するって事にして、飲みません?www 前からずっと山野さんと飲みたいなーって思ってたんですよwww」 と俺は強引にいった。すると山野さんは、「だめだめだめだめwww 何かんがえてるのwww」って言ってきたので、俺はそのまま冷蔵庫にいき、缶ビールをあけ、「まぁまぁwwww いっぱいwwww」と、かなり強引に山野さんの目の前にビールが注がれたグラスを差し出し、「さ、どうぞw」と言った。
山野さんは、「ちょっとこらww なに勝手にお酒つくってんのよ!?w」 「まぁまぁ、、いいじゃないっすかww 」とさらに進めると、、もともと雰囲気というか、流れがよかたので、山野さんは、「マジで、ほんとにこの1杯だけだかんね」といって、クイっとそれを飲んでくれた。 で、すかさずさらに2杯目をつぐ俺w
結局、そんな事しながら話は盛り上がってきて、山野さんは「病院は予約無しでかけこんだものですから、まだ時間かかりそうです。17時は超えると思いますので、本日は直帰します」と会社に連絡をいれ、、「もー!あなたと出会ってから私に、あなたのダメダメ人間がうつってきてる!!ww」 なんていいながら、
またふたりでスーパーにビールを補充しにいきました。 すっごいいい雰囲気でした。