『間違えていますよ…。』
そう返信しようとして文字を並べてみたものの、それではまるで興味を示したようなもの。
送る必要などないと思い削除した…つもりだった。
メールを閉じて何故かドキドキした心の動きに戸惑いながら、恥ずかしさを感じこの場から逃げ出すようにスマホを助手席に放り投げて車を走らせようとする。
「まったく誰なのかしら…あんなにイヤらしいメールを間違えて送ってくるなんて…。」
心の中の動揺を他人になすりつけるような言葉を吐きながら車を動かす。
それは紛れもなく自分自身の逃げ道を作るため。
と、公園の出口に車を向けたところで助手席に置いたスマホが鳴り響く。
ビクンと震える身体。
咄嗟に間違いメールの主からだと感じた私。
しかしメールを送信したつもりはなかった。
何故そう感じてしまったのか…。
途方もない恐怖と共に、心のどこかに潜んでいた興味を示す気持ちが冷静な私に揺さぶりをかける。
「えっ…メール!?まさか…。」
口では否定しながらも身体は敏感に反応し始めてしまい、ドキドキと高鳴る鼓動が私を惑わせる。
慌てて車を端の方に停めてメールを確認する。
丁寧な文章であり常識さえ感じるような文面。
こんなメールを送る人があんなにイヤらしいメールを送る人と同一人物なのかと戸惑いを感じながらも身体が火照っていく。
「そんな…そんな事って…。」
そう呟き、戸惑う私を追い込むような卑猥な文面が送られてくると…。
自分でも気づいていない心の奥を刺激されたかのようにメールの文字に見入ってしまう。
「なんなの!?このイヤらしい文章を書いた人と…さっきの真面目な文章を書いた人…どちらも同じ人なの!?」
その対照的な文面に戸惑い、何故か惹き込まれていくような不思議な感覚が私を襲う。
「常識がありそうな丁寧な言葉…。それなのにこんなにイヤらしい言葉を投げ掛けてきて…。
メールでのやり取りだけ…?その時の気持ちを報告するだけ…?」
常識ある大人の男性を思わせるような文面と、メールだけのやり取りで、非日常の部分をメールで愉しむだけ…。
そんな言葉に心の警戒心が少しだけ緩んでしまったのかもしれない。
それに…メールの言葉通りに今現在は特定のパートナーなど居なかった。
メールだけ…。どこの誰ともお互いに知るはずもない単なる非日常の遊び…。
つい…出来心で…。心と身体のどこかに寂しさを感じていたのかもしれない…。
公園の駐車場。木陰になっているところに車を移動させると辺りを見渡して…。
「そっ…そうね…。誰も見えないし…来そうにもない…。」
自然と鼓動は高鳴り、何かを期待するような心待ちでスカートをゆっくりと捲りあげてしまう…。
「やだっ…私ったら何をして…。そう…私は命令されてるだけ…私がしたくてしてるんじゃない…。」
自分自身の言い訳、逃げ道を用意されたような言葉を素直に受け止めてしまい、メールの言葉通りに行動し始めてしまうと…。
≪メールでやり取りされることが生きがいだなんて…。
変わった方がいらっしゃるものなのだと不思議に感じてしまいました。
間違いメール…最初に見た時には驚きました…。
こんなメールのやり取りを…されてる方がいらっしゃるんだなって…。≫
そう言葉を返すと、送られてきたメールを再び開き、一度目を通した文章を再び読み返しながら…。
≪今日の下着は…薄いピンク…。レースの飾りがついた可愛いパンティ…。
中心をそっと押してみました…。公園の駐車場で周りを気にしながら…。
そう…これは命令されてるだけ…私がしたくてしてるんじゃないの…。
私は…言われたとおりにしているだけだから…。≫
メールを返すと最後の指示。
ストッキングにつめをたてて引き裂くと、破かれた穴の中に指を入れ下着の横からそっと指先を忍び込ませると…。
「はぁ…うそっ…こんな事ってうそよ…。」
下着を汚すほどに溢れ出した蜜を指先に感じ、あり得ないと言わんばかりに呟いたものの、非日常の遊びがあり得ない快楽をもたらし始めて…。
≪下着の中は…。私のパンティの…中は…。信じられないほどに…濡れてます…。
こんなに濡らしちゃうなんて…何もしてないのに…。こんなに…。≫
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