その日、俺はいつも通り仕事に出かけるふりをして家を出ました。
本当は朝から有給休暇をとっていました。通勤に利用している駅まで行くとトイレに入り、
古着屋で購入したズボンとシャツに着替え帽子と眼鏡で変装して、駅の近くの喫茶店で時間をつぶしました。
それから家の玄関が見える高台に行き、そこからマリコに気づかれないように見張っていました。
昼前に動きが見られました。マリコが買い物用のバッグをもって家を出たのです。
たぶん早めに夕食の買い物を済ませておきたいのでしょう。
俺はマリコが通りから消えたのを見計らって自宅に侵入しました。ちょっと泥棒になったような
スリルを感じながら自宅の居間に入り、そこのクローゼットに姿を隠しました。クローゼットは
人が隠れるのに十分な広さがあり戸は羽板になっていて、その隙間から中からは外がかろうじて
見えるのでした。俺が仕事から帰るのは普段7時ごろでしたので、最長7時間隠れることになると
計算し、あらかじめ水分は控えることにしていました。
クローゼットには使っていないクッションがあったので、それを下に置いて音をたてぬようにしました。
そうして待つこと2時間、俺は玄関から知らない男とマリコが何やら話ながら入ってきたのに、
思わず震えが走りました。
「だめだっていうのにどうして来るのさあ。」
「おまえいい暮らししてんじゃないか、よくまじめな男つかまえたな。」
「だからもう寄ってこないでよう、あんたとは終わったんだからねー。」
「そんな冷たいこというなよ、たいがい遊んでやったんだからよ。」
マリコと男は言い争いながら居間に入ってきました。
そしていきなり男はマリコにキスをしました。
「ちょっと、やめてよー。」
マリコが男の手を振りほどいて拒絶しました。
すると男はマリコの頬にパチーンと音を立てて平手打ちをしました。俺は思わず声をだしそうになって
自分の口を押えました。
「わかった、わかったから乱暴はよして。」
「じゃ脱げ。早く。」
不機嫌そうな男の言葉にマリコは服を脱ぎ始めました。男も服を脱ぎ棄てました。
俺は喉がカラカラに乾いて動悸が半端じゃない状態でした。
そうしてマリコはブラジャーとパンティー姿に、男はブリーフ一枚の姿になりました。
マリコは何と紫のブラジャーとパンティーを身に着けていました。
男はそれを見ながらにやついて
「なんだ。俺の買ってやったブラジャーとパンティー、よく似合うじゃないかよ。」
それは俺には信じられない言葉でした。
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