1時間ほど経っただろうか。
いつの間にかすっかり眠ってしまっていたリョウタは保健室の扉が開く音で目が覚めた。リョウタは無意識に息を潜め、カーテンの外の気配を伺う。
『リツコ先生、お疲れ様』
その低い声の主は教頭だ。
いったい何の用があって保健室に来たのか。リョウタは気になって聞き耳を立てた。
「教頭先生、、お疲れ様です」
『どうですか? 仕事は片付きましたか?』
「いえ、まだ生徒が1人休んでるので、今日はもう少し残ります」
『そうですか、それはたいへんだ。それじゃあ、私が少し肩でも揉んであげましょうかね』
「す、すみません、、」
この教頭はわざわざリツコを労いに来たとでもいうのだろうか。カーテン越しに2人のやりとりを聞いていたリョウタはすぐに異変に気付いた。
「ぁっ、、ちょっ、、教頭先生、、ぁん、、そこは、、」
『リツコ先生、どうされましたか?』
「あの、、そこは、肩じゃなくて、、胸、、」
『おっとこれは失礼。つい手が滑ってしまいました。リツコ先生、、今日もいつものアレ、お願いしますよ』
「今は、、ちょっと、、」
『ちょっと、何です?』
「、、生徒がいるときはやめてください、、」
教頭の要求にリツコは小声で断った。しかし教頭もしぶとく食い下がる。
『、、でもまぁ静かにしてますし、きっと寝てるんでしょう。少しくらいならバレやしませんよ、、それに、リツコ先生はそのほうが燃えるんじゃないですか? ん? どうです?』
「. . . . .」
『リツコ先生、自分に正直になってくださいよ。さぁさぁ、こちらへ』
「や、困ります、、教頭先生、、」
2人のもつれるような足音がリョウタの方へと近づいて来て、すぐ隣のベッドがギシリと軋んだ。
「先生、お願いします、、今だけはダメ、、」
『リツコ先生、あなたのそういう顔、昔からたまらなく好きでしたよ』
「んっ、、んんっ、、」
強引なキスで口を塞がれてしまったらしく、抵抗するリツコの声が聞こえなくなった。
「、、、ん、はぁ、はぁ、、」
『ようやく大人しくなりましたね。やっぱりあなたはこういうシチュエーションが好きな女なんですよ』
カーテン越しに漏れ聞こえる2人のやりとりから、リツコと教頭は以前から男女の関係にあるのが童貞のリョウタにも容易に想像できた。
2人の様子が気になって仕方がないリョウタは、自分のベッドを囲う薄いカーテンを静かに開けて僅かに隙間を作った。
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