『ちょっと待っててね。』おばさんはそう言うと家の中に入って行った。何気無い会話…日常的な世間話でも、僕にとっては至福の時間であった。少しでも話しをしていたい…嘘偽りのない気持ちである。『ごめんなさいね。はい、これ飲んで。』サンダル履きのおばさんが急ぎ玄関から出て来た。手に持っていたのはスポーツドリンク二本と柄物のタオルである。『暑いからね、これ飲みなさい。私も涼介君と一緒に飲もうかな』そう言って僕の手に持って来たドリンクを手渡した。『あ、有難うございます。』緊張のせいか、礼を言うのが精一杯である。『こんなに汗かいちゃって…』おばさんは柄物のタオルで僕の顔、そして坊主頭を念入りに拭いていた。おばさんにとっては、息子の世話を焼いている感じであろうが、無意識の中に身体が近くなっていた。白いブラウスを押し出すような胸の膨らみが目に留まる。時折、ブラウスの隙間からは首に掛かるネックレスと一緒に白いブラジャーも見えていた。注視も出来ず、辺りを見渡すように胸元を伺っていた。タオルが顔に当たるとほんのりと洗剤の香りが漂う。『はい、終わりよ。』そう言うとタオルを畳んでスポーツドリンクの蓋を開けた。乾き切った喉に心地よい潤いが流し込まれた。『あまり小さな事には拘らなくても良いの…涼介君は涼介君なりに頑張ればそれで良いのよ。私も涼介君を応援しているから…今、この時を精一杯頑張りなさい、ね?』そう言って再び笑顔を見せた。おばさんに対しての好意…いや、興味が日々強くなっていた。
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